目覚めし冒険者の広場-ドラゴンクエストXプレイヤー専用サイト

剣聖

レシア

[レシア]

キャラID
: QA391-539
種 族
: 人間
性 別
: 男
職 業
: スーパースター
レベル
: 116

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
{{ photoImg }}
さつえい日  :  {{ photoDate }}
さつえい場所  :  {{ photoZone }} ({{ photoWorld }})
{{ photoImg }}
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}{{ optionalYear }}
    {{ entryTitle }}  {{ charaName }}
{{ photoImg }}
{{ entryTitle }}
{{ mangaImg1 }}
{{ mangaText1 }} 
{{ mangaImg2 }}
{{mangaText2 }} 
{{ mangaImg3 }}
{{ mangaText3 }} 
{{ mangaImg4 }}
{{ mangaText4 }} 
  • エントリーナンバー : {{ entryNo }}
    {{ charaName }}

レシアの冒険日誌

2015-05-20 21:40:55.0 テーマ:その他

其は世界のなによりも白く

大地は見渡す限り白く染まっていた
息を切らし、駆け抜ける足元は
ザッザッと音をたて、砂のような
しかし砂ほど細かくはない感触を伝えてくる




空めがけて何本もそびえる塩の柱
大地を覆い尽くす白い粒
塩、塩、塩

心臓が痛い。意思に反して足が重くなり
尚も走り続けようとする上半身は
下半身とは別の生き物のようだ
止まるな、走れ
こんなところで終わりたくなければ……
ああなりたくなければ走れ!

「ああああああああ!!」
後ろで悲鳴が上がった
「いやだ!いやだああああああ!」
悲痛な断末魔。ふりむくな
振り向いたら囚われる
走れ。早くここを抜け出すのだ
取り返しがつかなくなるまえに
背後でおそらく起こっているであろう出来事を想像し
その恐怖にアドレナリンが再分泌される
足はそれまでが嘘のように軽くなり
その少年、レシアは塩化しはじめた土地から逃げ出した





















人が塩になる
そんな現象が現実に現れはじめたのは
ほんの二年前のことだった
それまで普通に生活していた人間が
手から、足から、とにかく体のどこかから
塩を吹き出し、体が塩に「置き換わる」
信じがたいことだが、現に塩化した人間を
調べたところ、体のほとんどが塩分になっていたという
そして、塩化は伝染する
塩化した人間の周りから、急激に
人が塩へと変化していく
ある日、急に自分が。家族が。友人が
塩へと変わっていく
温かい肌が、無機質な白色へ変色していく
その恐怖は筆舌に尽くしがたいものであった


「あの怖さは実際みないと実感わかねぇよなぁ」
誰に聞かせるわけでなく、レシアは呟いた
なんとか塩化しはじめた町を抜け出し
港のある町へとたどり着いた
桟橋に座り込み、水面にうつる自分を見つめる
忘れもしない4ヶ月前
生まれ育った故郷が塩化に遭った
ちょうどその日、レシアは友人と市場を回っており
両親は家にいた
遠くから響く悲鳴、こちらへと駆け出してくる人々
事態を理解した頃には遠くの空に塩の柱がみえた
背筋に悪寒が走り、友人と共に人の波に呑まれる
逃げろ、逃げろ、逃げろ
考えもまとまらず、足だけが動いていく
その間にも塩の柱は次々と、天へとその頭を伸ばす
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!」
聞き覚えのある叫び声に足が止まる
あれだけ逃げなければと思っていたのに

振り向くと、友人が地面にひれ伏していた
指先が、かすかに白く見えた
「レシア……やだよ……待って……」
幼い頃から共に過ごしてきた親友が涙ながらにこっちを見る
「あ……」
そうしている間にも友は白く変わっていく
血色のよい肌色が無機質へ変わっていく
「…………ごめん」
レシアは駆け出した
振り向くな。振り向けば止まってしまう
悲しむのは生き残ってからだ
駆け抜けるレシアの後ろで、塩の柱がまた一つ増えていた





















そして4ヶ月
元々、冒険者として生計をたてていたレシアは
どうにかこれまで生き残ってこれた
たまたま両親や親友の顔を見たくなって故郷へ戻った
その日の惨劇。そして続く放浪の日々
あれから何度、塩に埋もれる町を見てきたか
帰る場所も、行くべき場所もない
ただ塩になる恐怖から逃げ回っている









「ねえ、そんなとこでなにしてんの?
お魚みつかった?」
立ち上がり、声のした方へ向き直ると





夕陽に金色の髪を照らされて
彼女は立っていた
いいね! 18 件

ログインしていないため、コメントを書くことはできません。


戻る

ページトップへもどる