マユミはアズライトを両腕に抱えながら力いっぱいに
背中の羽をはばたかせスピードを上げた。魔物達は
仲間達に足止めされて追ってこらない。…と思った
その時、飛んでいる妖精達のさらに上空から
ガーゴイルが急降下して来る。
「それをよこせ!」
そう言うとマユミを掴もうと腕を伸ばした。
「ぱにゃ!」
その手を寸前で躱しアズライトをぱにゃにゃんに投げる。
「マユミ!」
ガーゴイルが自分に向かうのに気づくとキャッチした
アズライトをすぐマユミに投げ返す。
小さい体をいかして2人はガーゴイルからすり抜けて
パス回しをしながら逃げる。
そして、マユミがアズライトをキャッチした時に
前方からバカでかい声が聞こえた。
「待たせたわね!2人とも!!」
バーンと言う文字が見えるぐらい堂々と立つブレイブ
メイルを纏った少女が居た。
「「かいり!」」
2人が待ってましたと言う感じで名前を叫ぶ。
「さあ、それを私に投げて!」
そう言うと古今無双に入る構えをとった。
「なーにーをするつもりよー!」
その構えに誰よりも早く気づいたぱにゃにゃんは
高速てかいりの元に飛び会心のツッコミをした。
そのツッコミにかいりはよろめき構えが解かれる。
「このオートクレールであれを飛ばアイツらのとこ
まで届くじゃない」
いい考えでしょとばかりにドヤる。
「そんなことして壊れたらどうするのよ!」
2人がそんなやり取りをしていると。
「ぱにゃ…かいりぃ…」
疲労困憊ですと感じるほどの弱々しい声で2人を呼ぶ。
2人がマユミを見ると3匹のガーゴイルがマユミに
迫っていた。いつの間にか仲間を呼ばれて1人で
3匹を相手にアズライトを守ってたのだった。
「かいり!」
ぱにゃにゃんが叫ぶ。
「おう!」
オートクレールを地に刺し気を込めるとプラズマ
ブレードが発動しガーゴイル達に雷が落ちる。
「「ガァッッッッ!」」
その衝撃でガーゴイル達は落下しその隙にマユミは
必死に2人と合流した。
「大丈夫?」
ぱにゃにゃんが聞くと。
「うん、でも少し疲れたから休ませて」
そう言うとかいりの肩に向ってゆっくりと落ちて
ぐでー伸びた。
伸びたと同時にアズライトを両腕で抱えてた力も抜け
ポロリと落ち地面にぶつかりそうになる瞬間
ぱにゃにゃんがアズライトをキャッチする。
「これは私が持って行くからかいり!アイツらを頼むわ!」
プラズマブレードで倒れてたガーゴイル達が起き上がり
羽根を羽ばたかせると空中に浮かぶとこちらに向って来た。
「任せて!」
かいりの自信たっぷりな返事を聞くとぱにゃにゃんは
アズライトを抱えソウラ達に向かって全速力で飛んで
行った。
「大丈夫?」
ぱにゃにゃんを見届けると肩で伸びてるマユミを
チラリと見て尋ねる。
「うん、でも少し休ませて…」
そう言ってマユミは動かなくなる。