かいりが気がつくと闇に囲まれた小さな広場では
無く冒険者ならよく見かける洞窟になっていた。
「ここどこ!?」
闇を払うためビッグバンをしようとした瞬間を
ぱにゃにゃんに突っ込まれたとこまでは覚えてる…。
「あれ?皆んなは!?」
自分一人しか居ない事に気がづいたその時。
ズシンズシンと音と振動がして次第に大きくなって
行く。
「な、な、何?」
かいりの疑問に答える様に正面から山の様な影が
向ってくる。次第に姿が見えるとオレンジ色の巨体と
薄紫色の背びれ。そして、角と顔つきは見た事ある。
「えっ、ドラゴン?」
ドラゴンらしき魔物はかいりの言葉に正解と言う様に
息を吸い火の息を吐く。
「うわっ!」
咄嗟によける。
「やってくれたわねトカゲ野郎!このオートクレール
の錆にしてやるわ!」
言いながら背中の大剣を抜こうして空を掴んだ。
「えっ?」
振り向くと何時も背負ってる愛剣は無かった。
「なんで?」
困惑してるかいりを見てチャンスと連続して
火の息を吐く。
「熱っ!」
かいりの足元に火が飛んで来る。何とか避けながら
(これってかなりピンチ?)
危機を自覚したかいりの目の前に竜の尻尾が迫るが
ぎりぎり当たらずにすんだ。
「素手でもやれるわよ!」
自分に言い聞かせる様に叫び右腕に力を込めながら
ドラゴンに向って掛ける。
「これでも喰らえー!」
ドラゴンの巨体に灼熱とうこん討ちを放つ。
「痛っ!」
オレンジ色のウロコが鋼の様に硬く右腕に強い
衝撃が走るが会心の一撃が決まりドラゴンの攻撃が
止まる。
「効いてるようね。もう一発喰らいなさい!」
まだ痺れが残る右腕に気力を振り絞り力を込め
とうこん討ちの構えをとる。そんなかいりを
怒りの形相で睨みつけるドラゴン。
「ギャーーオ!」
怒りを表現する様に大きな雄叫びをあげた。
「なんだ、急に眠く…まほぅ…。」
突然、強烈な睡魔に襲われクラクラするかいりに
遠くから声が聞こえる。
「「かいり!」」