そこでは4人の冒険者が例のよろいの騎士と戦い周りを
他の冒険者が輪になり囲っていた。
「けっこう人が居たんだね」
「あぁ…」
外野の冒険者達は戦っている4人を応援しているが
中には野次を飛ばす者も居た。
「さて、どうするか」
すでに戦闘に入っている中に乱入するわけにいかない。
「様子をみるしかないか」
「いけー!頑張れ!」
よろいの騎士を観察することにしたクマヤンと他の
冒険者と一緒に戦闘を応援するマユミと戦いの行方を
それぞれ見守った。
「武器は持って居ないか…」
よろいの騎士同様に体当たりや殴ったりしている。
「しかし、あの鎧何処かで見たような…まさか神兵?」
よく見ると錆や汚れ破損で形が変形してるが特徴的に
神兵の鎧だった。
「まさか…」
先ほど感じた嫌な予感を思い返す。
「押してるぞ!」
「行けるか?」
周りがザワツキ始める。変わったよろいの騎士は
かなり強く今まで倒したという話しは無く押している
状況に周りが熱くなって行く。
「どぉりゃー!」
追い込もうと戦士が技を出すが
「おい」
「あ~あ」
「何やってんだか」
周りからブーイングがでる。相手は追い込んでいる
状況に気が焦ったか剣を大上段から叩き付け
ドラゴン斬りで斬りつけたからだ。
「効いてないか?」
「怯んでるみたいだな」
ドラゴン斬りで斬られた変わったよろいの騎士が後退りし始めた。
「行ける!行ける!」
マユミも興奮して声援をかける。そんな興奮渦巻く
中で変わったよろいの騎士が僅かに妙な動きを
したことに気づいたのはクマヤンだけだった。
「そいつから離れろ!何かやるつもりだ!!」
大声で注意するが変わったよろいの騎士は体から
闇を蒸気の様に吹き出し始めた。
「うっわ!なんだあれ!?」
「おい!あいつらどうなったんだ!」
「知るか!それより逃げるぞ!」
周りに居た冒険者達は慌てその場を離れだす。
「妖精の予感が正しかったと言うことか」
武器や防具の事が関わると冷静で無くなる自分に
毎度の事ながら苛立つ。
「クマヤーン!」
マユミが叫びながら飛んで来る。
「あ、あれ!」
「分かってる」
闇を何とかしたいがまずは闇が直撃した4人を助けないと
と考えてると。
「あの4人を助けよう!」
「いや、あれに触れたらやばいんじゃないか?」
「なにか手は無いのか?」
残って助けようとする冒険者達がいた。
「手はある!力を貸してくれ!」
その冒険者達にクマヤンは助力を求めた。
「大丈夫なんだろうな?」
「とりあえず話しを聞いてみよう」
半信半疑だが他に手がない状況に残った冒険者達は
話しを聞くことにした。
「闇を払う魔法を使うから闇が消えたら救出してくれ」
手短に指示をした。
「そんな魔法があるのか!」
「何だ楽勝じゃん」
「早速やってみようぜ」
闇に覆われた謎の鎧と巻き込まれた冒険者の元へ走り出した。
「あっ!魔法は凄く眩しいから気をつけてくれ!」
走り出した冒険者達に焦りがまだ残っていたクマヤンは
言い忘れたことを叫んだ。
「「おい!」」
全員が突っ込んだ。
「す、すまない!とにかく気をつけてくれ」
「分ったよ!」
「とにかくやってくれ!」
聞きながら巻物を取り出し紐を解き破呪の魔法を開放した。
(残り少ないからあまり使わずに消えてくれ)
と心で祈りながら闇を祓った。
その祈りが通じたか数個使うと闇は消え謎の鎧と倒れてる
4人の冒険者の姿が見えた。
「よしゃ!」
「今だ!」
周りで待ち構えていた冒険者達が倒れている4人を
救い出して行く。
「やはり前と同じか…」
4人は今までの時と同じで完全に闇は消えて無かった。
「ここは私の出番ね!」
マユミが待ってましたと声を上げ冒険者達の元へ
飛んで言った。
「あっちは任せるか…」
お祓いで治る事を実践しながら説明している
「問題はあれだな」
破呪魔法で動かなくなっている鎧に近づき様子を見る。
やはり古い神兵のフルセットだった。
「中に闇が入り動かしてたのか?」
そう考えると闇は予想以上の力を持ってると考え直し
今のうちにこの闇に対処しないと思ってると。
「どうだ?」
救出に力を貸してくれたエルフの冒険者とマユミが
やってきて様子を聞いてきた。
「これはモンスターじゃ無いな、あの闇みたいなのが
動かしてたと思う」
「動かしていたって…何なんだあれは?」
「何度か見たが分らない」
そうクマヤンが首を振っていると鎧が動きだそうと
していることにマユミが最初に気付いた。
「ねえ!動き出したよ!」