「やっぱり動くか…」
動いたと言ってもまだ起き上がらない状態から落ち着いて鎧を見る。
「どうするんだ?」
「このままには出来ないしな」
動ける様になりまた闇を吹き散らしたら大惨事になる。
「あの魔法を使えないのか?」
「あれは巻物に封じた魔法を発動させたんだが…」
クマヤンの表情が強張る。
「無いのか?」
「あるが1つしか無い…だから一撃で仕留める方法を考えてた。」
最後の巻物を取り出して見せた。
「それで止めをさせないのか」
動き出したとは言えかなり弱っている今なら倒せるとふんで聞いてきた。
「さっき使っているうちに気付いたんだが鎧が魔法をの
効力を軽減させてる見たいなんだ」
それが気がかりで使えずにいた。
「なーんだ、それならさっきの技使えば良いじゃない」
話しを聞いていたマユミがあっけらかんと言った。
「あの技か?確かにあれなら鎧に傷を付けられると思うが」
「違う!本当の力、次元を繋げる力を使うの!」
「次元を繋げる?」
「ここと鎧の中を繋げて直接それを入れれば良いんじゃない」
とんでもない事を明るくさらりと言った。
「さっきから何を言ってるんだ?」
隣にいた冒険者が2人の会話について行けず堪らず会話に割り込んできた。
「そうだな…ここと鎧の中にリレミトゲートみたいなの
を作ってそこから魔法を入れてしまえと言うことかな」
クマヤンなりの解釈で答えた。それが正しいらしくマユミ
はうんうんと首を振っている。
「そんな事出来るのか?」
「やった事はないがマユミが俺に出来ない事は言わないだろうから…」
そう言いつつ刀を抜き。
「やってやるさ!」
と構えその後でマユミはおー!と片腕を挙げた。
「そう言いう訳で少し時間を稼いでくれ」
3人が話している間に鎧も立ち上がり動き出していた。
「時間を稼げと言われても…」
「何とかなるかもな」
戸惑っていると突然後から声を掛けられた。
「うっわー!びっくりした…」
「あっわりぃわりぃ」
ウェディの戦士は悪びれた様子も無く軽く侘びた。
「それで、あの鎧を抑えるって話しだけどさ何とかなるかもよ」
「ほんとか?」
「さっきの戦闘であの鎧、ドラゴン斬りで怯んでただろ?」
「そう言えばそうだったな」
エルフの冒険者は先程の戦闘を思い出す。
「なら、ドラゴンスラッシュも効くんじゃないか?」
ニヤリと笑い大剣を抜き鎧な向かって行った。
「おい!確証も無いのに突撃するな!」
そう言いつつ止めるのは無理と分かってかウェディの
戦士に補助魔法をかけ掩護し始めた。
冒険者達が鎧の足止めに入ってる間にマユミがコツを
クマヤンに教えていた。
「繋げたい先をしっかりイメージ出来れば必ず繋がるよ」
人差し指を上に向け指しながら教える。
「だとすると今回は…」
「鎧の中をイメージすれば良いかなー」
マユミのその言葉にニヤリとして
「それなら楽勝だ。俺はマニアだからな」
言った。あれが神兵の鎧だと確信しているから中の事は
分かっている。殆どの防具は中まで隅々見ている。
「じゃあ始めるよ!」
マユミは自分の力をクマヤンの刀に分け与え始めると刀が光出す。
「おう!」
光を確認するとクマヤンは目を閉じ鎧の中をイメージする
ため集中し明確に想像が浮かんだと同時な目を開き刀を振った。