オルフェアの町はほぼ復興し以前の賑わいを取り戻してた。しかし、表があれば裏がある。それはこの終始賑やかなこの町にも同様でクマヤンが歩いている裏通りは怪しげな雰囲気を出していた。
「………」
暫くクマヤンが歩いていると黒いフルオーバーを着た
プクリポが正面から歩いてきた。
「…………」
2人がすれ違いクマヤンは少し進んでから足を止め振り
返るが黒いフルオーバーを着たプクリポは始めから
居なかった様に何処にも居なかった。
「仕事の早さは流石だな…」
小さく呟くといつの間にか手に持っていた包を見た。
「さて、マユミを探すか」
包を道具袋に入れると別行動をしているマユミと合流するために裏通りの出口に向かった。
「おーい!」
クマヤンが裏通りから出るとマユミがお菓子を両腕に
抱えながら飛んでくる。
「買い物は終わった?」
「バッチリだ」
それを聞いたマユミは
「ここはお菓子も美味しくて最高だね」
お菓子を満面の笑顔で食べる。
「満喫してるとこ悪いがそろそろ帰るぞ」
「えっー!」
明様に不満をあらわにする。
「目当て物は手に入ったから早く魔鏡の闇を消さないと
店が大変な事になる」
闇が動かしていた神兵の鎧の中に入っていた。鏡らしき
物を仮に魔鏡と呼称して、詳しく調べる為に店に保管して
いたが、闇は収まらず店中が闇に包まれてしまうのでは、と危惧し調べるのを
断念し、魔鏡を浄化するための物を手に入れる為にオルフェアに来ていた。
「分かってるけど…」
名残惜しそうに町を見回る。
「分かったよ。魔鏡が片付いたらまた連れて来るからさ」
「ほんとに!約束だよ!」
クマヤンの顔の前まで飛んで来て念を押す。
「ああ、約束だ」
「うん!それじゃあ早く帰ろう!」
そう言うとマユミは残ったお菓子を全部口に入れた。
「現金なものだな…」
と呟いたが素直に帰ってくれる事に内心ホットしていた。
(魔鏡の闇を祓えるかはマユミに掛かっているからな)
「方舟に乗り遅れるよ!早く早く!」
マユミが小さな体からと思えない大声でクマヤンを急かした。
「マジャスティストーンこれで魔鏡を祓えれば良いが…」
包みを見ながら不安を感じていた。