台座の上に魔鏡を立てかけマユミは石を両手で持ち魔鏡にホバリングしながら
対面した。
「念じれば良いんだよね?」
「ああ、同時に魔力が吸われていくはずだ」
クマヤンが言う事を試す様に目を瞑り石に念じてみるが。
「何も起きないよ?」
「魔力が溜まるまで発動しないみたいだな。暫く念じ続けてみてくれ」
「うん」
マユミは再び念じ始める。
…念じてから数分が経った。
「うーん……」
魔力が吸われているせいか疲れが出始め集中が切れそうになる。
(頑張ってくれ!)
集中の邪魔にならない様にと思い見守ると石が光出した。
「きゃ!」
突然の強い光に驚き悲鳴を上げるが、光り出した石はマユミに関係なく魔法を
発動させた。
「凄い…」
光は上に上がり天井辺りで弾け雨の様に地下室に降り注ぐ光景にクマヤンは
一言だけ呟いた。
「あっ!見て!」
念じらのを止めて同じく光景を見ていたマユミは魔鏡に光が当たり闇が消えた
事を指をさし報告する。
「おお、やったか!」
闇が消えた鏡を手に取り見ると古い物なのか鏡はかなりぼやけていて
クマヤンの姿はぼんやりとしか映さなかった。
「どう?」
「成功だ!」
魔鏡が気になりクマヤンの手元に近づくと闇が消えた鏡を見せる。
「闇は消えたけど写りが悪いね」
「かなり古い物だしな」
自分の姿がぼんやりとしか映らない鏡をまじまじと見てると鏡の中から闇の塊が飛び出しマユミな当たった。
「マユミ!」
闇に当たり気絶し落ちていくマユミを慌て片手で受け止めた。
「おい!しっかりしろ!」
必死に声を掛けるが目を覚ます様子は無く呆然とマユミを見ると薄く闇が
マユミを覆っていた。
「まだ闇が残ってたのか…」
…お祓いを何度も行い時間がだけが経った。
「お祓いでは駄目か…」
マユミを闇が覆ってから祓う為に何度もお祓いを試しているが効果は無かった。
「不味いな」
破呪の巻物は無くマジャステストーンは使えず一途の望みのお祓いも効果が無くなす術が無くなった。
「このままだと人斬りの様に…」
闇に操られてしまうのかとマユミを見るとサークレットの宝石が闇で見難いが
鈍く光っている事に気が付いた。
「これは!」
これが光るのはマユミの力を使っている時だけと分かってるクマヤンは。
「何か起きているのか…」
どこかでマユミに何が起きてるのかもしれないと不安を感じた。