「あっあー!!あーー!!!」
バドリー岩石地帯全体に届く程の奇声があがった。
「またか…」
掛けの上で先程の奇声を上げた主と思われる人影を見た。
「あれが無ければ…男爵は」
しにがみきぞくとてっきゅうまじんがため息をついた。
これが毎日の繰り返しになっていた。彼らはレイダメテスと共に進行した魔族で、レイダメテスが落ちアストルティアに残され集まった言うなれば残党軍だ。
「叫びたい気持ちは皆んな同じだろ」
てっきゅうまじんが呟く。叫んだ人物を加えた3人は残党軍を纏めているが状況が日に日に悪くなっていた。アストルティアに残され孤立無援になり野盗の
真似事をしているだけの今に常態に3人とも苛立っていた。
「あっあー!!あーー!!!あー!」
苛立ちを表す様にまた叫びがあがったその時、2人の周辺が暗くなる。
「帰って来たか」
2人が見上げるとガーゴイルの一群が飛んでいた。
「男爵!お目当ての武器屋を見つけました!」
ガーゴイル達は地上に降り2人に報告すると。
「ついに見つけましたか!」
いつの間にか崖から降りて来てニヤリと男は笑った。
屋敷の外でクマヤンが掲げた光る斬無刀をマユミはじっと見ていた。
「そろそろ開放してくれ」
「うん」
マユミが刀身に触れると光が収まり銀の刀に戻った。
「凄いぞ!長時間マユミの力を帯びていたのに傷1つない!」
刀身をつぶさに見て喜んだ。
「凄い!凄い!」
マユミも釣られて喜ぶ。
「ミスリルのお陰だな」
斬無刀を見てニヤリと笑った。
「男爵の睨んだ通りこの大陸でしたか」
ガーゴイルの報告にプリーストナイトが関心する。
「ランガーオ山地か…良くやってくれた!」
ガーゴイル達の捜索にしにがみきぞくが労う。
「早速、行くか?武器型モンスターや強力な呪いの武具があると言う武器と
防具の店に」
てっきゅうまじんが2人に聞いた。まだレイダメテスが落ちる
前から流ていた噂で武器モンスターや呪いの武具を買い取る商人が居ると。
「ええ、行きますよ。魔族らしくね!」
男爵と周りから言われてる男が応えると周りにいた無数の魔物が立ち上がった。
「!?」
「どうしたの?」
クマヤンの様子がおかしくマユミが聞いた。
「いや、何か悪寒がしてな…」
「もうすぐ冬だしここ山の中だし冷えるんじゃない?」
「そうかもな…体を温めるのにももう少し練習するか」
「うん!」
クマヤンの提案にマユミが応えた。