丘の上でクマヤンが対峙した男は、丸刈りの頭に小悪魔が生やしている様な
小さな角。肌は青くノーブルコートを着ているが長く着ているのか
ボロボロだった。
「始めまして、私はボォドイース男爵…」
「男爵?魔族か…」
レイダメテスが現れた時に侵攻してきた、魔族の中には爵位を持つものも
居たという話を聞い事を思い出し正体を特定した。
「俺は…家を夜襲してるんだ知ってるよな」
相手に合わせる必要ないなと名乗るのを止め誘惑の剣を構える。
まけんしのレイピアから途中で拾い持ち替えていた。
「そうですね。なら目的は分かってますね…大人しく呪いの武具と
武器モンスターを寄越しなさい!」
ボォドイースは高圧的に言うと。
「残念だがあれはコレクションで売り物じゃないんだ」
武器の補充だけでは無いと思っていたが、兵力の強化が本当の目的と分かり、
あれだけ宣伝していた事が魔族にも、伝わっていた事に予想以上の効果だなと
思いながら断った。
「でしょうね!」
ボォドイースはダークサイズを構え暗黒連撃の体制に入り。クマヤンも
超はやぶさ斬りの構えをとり同時に動いた。
「うっぐ…」
お互いに受けきれなずにダメージを負うがボォドイースの暗黒連撃が優り
クマヤンは膝を着いた。
「そこです!」
手応えを確信したボォドイースは振り向きざまに黒炎帝の斬撃をクマヤンの
頭を目掛けて振り下ろす。
「フッ」
それを読んでアルテマソードを発動させて黒炎帝の斬撃を受け止めた。
「ハッァァァ!」
光と闇の輝く刃がぶっかるが気合でクマヤンのアルテマソードが押し返した。
「ぐっは!」
ボォドイースは押し返されるとそのまま吹き飛び、その着地点に目掛けて
クマヤンは不死鳥天舞を放つとボォドイースにタイミング良く直撃した。
「ハァハァ…やったか……ハァハァ」
大きくダメージを負うも気合で技を連発し息も絶え絶えにボォドイースを見る。
「クソ!クソっクソクソクソ!!」
ボォドイースは倒れながら叫んでいた。
「俺の領地は魔障で消えた…」
クマヤンが近づこうとすると呟きながら起き上がる。
「だから…アストルティアから奪うしかねーんだよ!」
そう言うと大きく息を吸い。
「俺のりょぁっアー!アーー!!!アアアッーーーーー!!!!!」
オーグリード大陸中に届くかと思うような怒号を発した。
「グッァ」
そばにいたクマヤンはその声の大きさに驚き尻餅をついた。
「う、動けない…」
あの叫びに魔力があったのか全身が痺れ動けなくなり誘惑の剣も落とした。
「お前から武器を奪い作るんだよ俺の領地を!」
ボォドイースは尻餅をついたクマヤンを見下ろし魂狩りの構えをとり鎌を
クマヤン目掛けて振った。