マユミとの約束は守られていた。
「子供の頃には気づかなかったな…」
マユミの故郷の話かもしれない、神話の本に初代クマヤンのマユミの武器に
関する事が端々に、書かれていることに読み返し気付いた。
「気づかなかったよりはいいか…」
そう自分を慰めた。初代から今まで気付いた人も居なかったようだし。
もしかしたら、クマヤンを襲名することが、切掛なのかもしれないと
割り切ることにした。
「と、言うわけでマユミ専用の武器を探しに行こう」
「「おー!」」
「ぷき!」
クマヤンの酒場には喜び溢れるマユミとかいりとぱにゃにゃんの何時も
3人と。
「ぷき、ぷきっ」
牙狼のフード を被ったプクリポがジャンプした。
「そうだよね!どんなのかな!」
マユミと会話をしている光景を見ていたクマヤンは。
「………なあ、言葉わかるのか?」
マユミが連れてきたぷきは商会の令嬢の用心棒で、海底離宮突入にも選ばれ
腕に疑いはないが、その独特な言葉にクマヤンは戸惑っていた。
「勿論!なんならフーゴの言葉も分かるよ」
「そ、そうか…」
フーゴって誰と思ったが長くなると思い突っ込まなかった。
(マユミが通訳してくれるから良いか)
初代クマヤンが残した本によると、チョッピ荒野に閉鎖されている
アラモンド鉱山がある。その山に祠があり、そこに豊穣の神降ろしの
祭具として使われた剣があると書かれていた。その山に詳しい者を自分を
含めて探していたところ、マユミが詳しいというぷきを連れてきたのだった。
「頼もしい道案内ができて良かったわ」
ぱにゃにゃんも満足そうにうなずく。
「見つからないままだったら、かいりが山に突撃してたからね。」
その言葉にかいりが。
「わたし、そこまでバカじゃないわ!」
「いや!やろうと言ったじゃない!」
かいりとぱにゃにゃんが何時もの漫才を始めようとした。
「とにかく、準備も出来た事だし荒野の休息所まで飛ぼう」
長くなりそうと感じたクマヤンが出発を促した。
荒野の休息所からアラモンド鉱山入口は、すぐ近くにありクマヤン達は
封鎖されている入口の前にまで進んだ。
「ぷき、ぷき!」
「こっちから行けるって」
ぷきの案内で鉱山入口の脇に、案内がなければ見つからない山道を一行は
登り進んで行った。
「2人は楽しそうに何を話してるんだ…」
楽しく会話しながら先導している、マユミとぷきを見て険しい山道に少し息を
あげながら呟いた。
「ん?ハウジングの話をしているわよ。神とも呼ばれる人から賞を貰う
程だからねぷきは」
ぱにゃにゃんが軽く答えた。
「分かるのか…」
クマヤンは足を止めぱにゃにゃんを見た。
「マユミに出来て私に出来無い訳ないじゃない」
何を今更な感じでクマヤンに答えると、マユミ達に向かって飛んで行った。
「そう言うものなのか…」
ぱにゃにゃんを唖然としながら見送った。