「無いね、隠し通路」
マユミは残念そうに言う。
「ほんとね…どうやって作ったのかしらこれ?」
ぱにゃにゃんも同意しながら不思議に思った。
「私たちみたいに飛んで作ったのかも」
「プクリポは飛べないわよ」
マユミを何とか制止させて、クマヤンの指示通り入れる道を探したが全く
見つからなかった。
「そうだよね。不思議…」
何も発見出来ずに祠を見て会話をしていると。
『………』
「何?」
マユミに声らしき音が聞こえた。
「どうしたの?」
「今、誰かの声が聞こえた」
ぱにゃにゃんに両腕を振り言った。
「そんなの聞こえないわよ?」
ぱにゃにゃんは訝しむ。
『…………』
「また聞こえた!」
そう言うと聞こえた祠の前に向かった。
「ちょっと、中に入ったら駄目よ!」
マユミを止めるためにぱにゃにゃんも祠の前に向かった。
『………………』
祠の両開きの扉の前に来たマユミは扉に貼られている札の前に降りた。
「中から聞こえる」
そう言うと無意識に札に手をかける。
「駄目ー!」
追いついたぱにゃにゃんがマユミを祠から、無理矢理引き剥がすと自然と
手に掛けていた札が剥がれて行く。
「あっ」
マユミが声を出すと。
『封印は解かれた!!』
札が半分以上剥がれると大きな声がして両開きの扉が開いた。
「なんだ、今の声は?」
祠の真下まで着いたクマヤンたちは上から聞こえた謎の声に反応して上を
見上げる。
「ぷき!!!」
見上げたとたん祠辺りから大きな爆破が起きた。
「何?今の爆破?」
かいりがみげてると爆煙の中から祠の残骸らしき物が落ちてくる。
「ヤバい!逃げろ!」
クマヤンの叫びと同時に3人は一斉に走り出した。
ドッシーンと祠らの残骸が、クマヤンたちの居た所に轟音と共に
落ちてきた。
「ここも危ないな、もっと離れよう」
爆破で砕けだと思う石や、細かい瓦礫がクマヤンたちの元に落ちて来ていた。
「マユミとぱにゃは大丈夫かしら?」
「ぷき、ぷき」
かいりの言葉にぷきも心配な表情をしていた。
「今、2人を探すのは無理だ…。少し離れて様子を見よう」
2人の行方は心配だが、自分達も危険な状況と判断してクマヤンは2人を
なだめて後ろに下った。
「おーい!」
3人が安全と思う所で様子を見てると、上からマユミの声が聞こえてきた。
「ぷき!」
3人が上を見上げると2人が降りてくる。
「無事だったのね」
かいりが聞くと。
「ぱにゃが素早く祠から離してくれて、イオグランデに巻き込まれなかったよ」
「あと少し遅かったら巻き込まれてたわよ…」
「ごめん!」
2人の会話に引っかかる言葉がありクマヤンは聞いた。
「今、イオグランデと言ったか?」
「そうよ?呪文聞こえなかった?」
ぱにゃにゃんが聞き返してくる。
「まて、祠に何か居るのか!?」
祠に何か居るなんて思っても無かったクマヤンは不安を感じた。
『感じるぞ…そこに居るな…』
祠が落ちて出来た煙から人影がぼんやりと映った。