「拙者が編み出した、剣技を極める為の修行で瞑想していたのでござるよ」
ガイティスと名乗った竜族の大男は、崩れた氷壁の残骸に
腰を下ろし、3人に説明をした。
「氷の中で瞑想ってどんな苦行だよ」
マージンが呆れて言う。
「それには訳があってなこれでござる」
ガイティス自ら名付けた氷神剛剣を3人の前に出した。
「この剣は!?」
武器マニアのクマヤンは興奮して聞いた。
「これはナドラガンドでも、もう手に入らないブルーメタルで出来た剣でな」
「おお!」
ブルーメタルと聞いてクマヤンのテンションが上がり声が出て。
「ブルーメタルと言えば異世界では、アダマンタイトと呼ばれているとか、
神々も使うこの世で最も硬い鉱石と言わる幻の鉱石じゃないか!!」
興奮してブルーメタルの解説をしなが言った。
「こいつに拙者の剣技のために、氷の領界の氷を纏わせるのに千年氷漬けに
してたのでござるよ」
「千年!!」
驚くクマヤンを見ながらガイティスは楽しげに話す。
「その間、拙者も竜化せずに、その力を引き出すための修行として瞑想して
いたのでござるよ」
「途方もない話だな…」
マージンが驚きと呆れ混じりに呟いた。
「本当に千年経ってるかは、調べないと分からぬでござるが。この剣の
完成具合からも、ほぼ千年経ってると思うでござる」
「凄いな…」
クマヤンの目は剣から全く離さず呟いた。
「拙者の見立てでは、おぬしの剣も中々の物技と見受けるが」
クマヤンが腰にさしている、刀をガイティスは逃さず見つけていた。
「これは…」
剣に集中していたクマヤンだが、ガイティスの指摘に咄嗟に自分の刀に手を
やった。狂神との戦いで、斬鉄丸を折ってから斬無刀を使いはじめていた。
(次元斬専用に初代が作ったのに、使うのを躊躇続けてあんな失態をして
しまった…)
それは、武器の特性を理解して武器の性能を十分に、発揮させるのが
武器商人と、思っていた自分が恥ずかしいと猛省し、考えを改めて必ず持ち
歩くことにしていた。
「どうでござる?氷神剛剣の具合を見るのに手合わせをするのは」
ガイティスはニヤリと笑いクマヤンに笑いかけて提案してきた。
「……………相手になるか分からないが受けよう」
「こんな所でやるとはあいつらも相当だな」
「マージンが言えるの?」
「何でだ?」
2人の邪魔にならない様に、マージンとマユミは話しながら離れた。
「拙者は良いでござるよ!」
2人はガイティスが、氷壁を消して少し開けた所で対峙しする。
「ああ、こちらも大丈夫だ」
クマヤンが斬無刀を抜き構えると、ガイティスも氷神剛剣を構えた。
「こちらから行かせて貰うでござるよ」
「こい!」
ガイティスはゆっくりと剣を掲げる。
「ハァ!!」
掛け声とともに剣を振り下ろすと、クマヤンに風の様な何かが向かってきた。
「剣圧?違うこれはヤバい!」