「氷魔金剛剣!!」
巨大な氷の刃はダイヤとも、思わせる様な輝きでクマヤンに迫った。
「今だ!」
斬無刀に残った、マユミの全て力を出し刀身が眩く光り空を斬る。巨大な
氷の刃が消えた瞬間、ガイティスの後ろから轟音が響いた。
「なんでござる!?」
振り返ると巨大な氷の刃が、氷壁にぶつかり激しい音を鳴らし破壊していた。
「失敗か…」
クマヤンの狙いはらガイティスの真後ろに出口を出す。つもりでいたが後方に
出口を、出すことは出来たが、見当違いの場所に出してしまった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
「な、な、な、なんだ?地震か?」
「全体が揺れてるよ」
地震の様な揺れがクレバスの中で起きはじめた。
「流石は氷魔金剛剣!クレバスが崩壊し始めたでござる」
愉快に笑った。
「笑ってる場合じゃないよ!このままじゃみんな潰れちゃうよ!」
2人の元に寄ったマユミがガイティスに怒る。
「すまん!すまん!だが…ドラゴンの力を全て使い精も根も尽き果てて一歩も
動けぬでござる!」
荒ぶる竜の本能全てを、氷魔剣に込めて力を使い果たしていた。
「すまない…俺も限界だ…」
クマヤンも次元斬のコントーロールに、精神力を使い果たしていた。
「えっーー!?」
マユミは信じられない気持ちで絶叫した。
「いや、俺のせいでもあるし……」
「こうなったら!俺たちでやるしかないな!」
クマヤンの言葉を遮ってマージンが声を上げた。
「どうするの?」
マージンの考えに期待してマユミは聞いた。
「さっき、クマヤンが使った次元斬だっけか?それをおれの爆弾にも付ければ
次元爆弾とかなるんじゃないか?」
「うーーん、力を与えられるけど…一つ間違えると大変な事になるし…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!
マユミが戸惑っていると、振動が強くなって行く。
「だから、無理すればなん……」
「考えている暇ないぞ!2人が動けない今、これしかない!」
マージンの有無を言わせぬ勢いに、クマヤンの言葉はかき消された。
「あーー分かった!やろう!!」
そういうと右手を天に掲げ。
「私の剣、こーーい!」
掲げた右手から光がおこり、6本の枝刃を持つ小さな剣が現れる。
「いくよー!」
剣を取ると構えて、マージンを刺すかの様に突進してきた。
「おい!なんにするんだ?やめろーー!」
咄嗟に構えるマージンに、剣が当る直前に光が2人を包んだ。すると、
マージンの背にマユミの様な羽が生え、帽子の両側に羽根の飾りが付き、
ギンガムマフラーがマユミが付けている花のブローチの様な花柄に変わり。
最後に帽子の前面に、マユミのサークレットに付いていた宝石が付いた。
『ケホケホケホ…やっぱりマージンの中は煙い』
マージンの体からマユミの声が響いた。
「失礼な!風呂ぐらい入って……。うわっ!体から声が!?」