「やっと姿を現したな…」
クマヤンの後ろにクナイを突きつけている張本人に話しかけた。
「気付いていたか…」
クマヤンがかけた言葉に赤い狐の面の男は、思わず声を出してしまう。
「あのタイミングで物が落ちてくるのは不自然だったな」
仕返してやったと微笑む。
「なるほどな…だが!」
言ったかと思うと、姿はクマヤンの正面にある魔剣の前にあった。
「仕事なんでね」
腰の小太刀を抜くと、小太刀を持ったまま印を結ぶと小太刀の刀身が
光出した。
「何だ?あの小太刀は!?」
自由になったクマヤンだが、小太刀に武器マニアとして目が離せ無かった。
「破!」
そう叫ぶと小太刀を、魔剣に刺そうとしたが。
「何!?」
カキーーン!!という音共に魔剣から体ごと弾き飛ばされ、驚きで動きが
止まった。
「今だ!」
クマヤンは、その隙を見逃さず魔剣を拾い走り出した。
「しまった!」
リンジャハル海岸の海岸遺跡に、大型のドルボードの横に赤髪の女性
オーガが海を見ていた。
「あれが幽霊船?」
彼女は、セ~クスィ~超駆動戦隊ドルブレイブのリーダーだ。おきょう博士
から幽霊船に眠る魔剣を破壊せよとの緊急指令が下り、最初に到着したのが
セ~クスィ~だった。全員の到着を待つまで幽霊船を見張っていた。
「何?」
幽霊船からヒューと音が響いたと思うと一瞬光った。
「何が起きてるの?」
音と光は続いていた。
幽霊船の甲板では、クマヤンが3門の大砲と1門の巨大大砲に狙われていた。
「石火矢の術、何時まで避けられるかな」
これらの大砲を、赤備えのオーガは同時に出すだけで無く、連続ロックオンや
砲撃ブーストの効果も始めから付いていた。
「厄介だな!」
クマヤンはスレスレで、砲弾を避けてるがそれが、精一杯で逃げられずにいた。
「これならどうだ!」
必殺のパニックキャノンで大砲が更に強化された。
大砲から出る砲弾の間隔がさらに速くなり大量の砲弾がクマヤンを襲った。
「避けてるばかりと思うなよ!」
斬無刀を抜き次元斬で砲弾全てを斬り落とした。
「そんな技を隠してたとは…」
その光景に驚く赤備えの男にクマヤンが向かって来る。
「石火矢が破壊されてる?いつの間に…」
次元斬は砲弾だけで無く大砲も攻撃していた。
(彼奴にも攻撃したかったけどな)
そこまでの技術と集中は修行が足りないと反省した。
「だが、今がチャンス!」
砲撃が減り反撃の余裕がうまれ、斬無刀をもう一度振った。
「破っ!」
赤備えのオーガは素早く反応し小太刀を抜いた。
「何っ!?」
輝く刀身は次元の刃を破壊した。この小太刀は彼の一族に伝わる聖剣で、
あらゆる魔術や呪術を、破壊する力があり魔法の力である次元斬も対象だった。