3人が驚いている中、クマヤンはナイフをテーブルに置いて、隣に置いて
あるマナの剣を持つと、傷口に剣先を付けた。
「やっぱりか…」
傷口に剣先が付くと、あっという間に傷口は塞がり傷跡も無く元に戻った。
「これを持った時に感じていた、生命力の様な力は回復させる力だったな」
唖然としている3人に説明した。
「もう、びっくりしたよ…」
「ほんとに…だけど、武器なのに回復させるなんて変な剣だな」
レオナルドが不思議に思うと。
「木剣だから大したダメージは与えられないしな」
クマヤンが答えるとエルジュが。
「剣の力は分かったがそれで目的地が分かるのか?」
クマヤンに聞いた。
「それは…」
クマヤンが言おうとしたその時、地震の様な振動が起きた。
「きゃ!地震?」
マユミがテーブルの上で驚いてると、慌ただしく使用人が応接室に入って
叫んだ。
「きょ、巨大なモンスターが屋敷に向かって来ます!」
「あれはおおくちばしか?」
「デッドペッカーかも?」
「アカイライだったりして」
窓から見える、巨大なモンスターの影を見て感想を3人は言った。
「似ているが全く違うものだと思う」
クマヤンが見たその巨大モンスターはおおくちばし系と思わせるが、
屋敷とほぼ同じ大きさで同じ系統と思え無かった。
「あれもこの剣が狙いなのか…」
エルジュはマナの剣を守る様に抱きかかえる。
「目的が何であれ、俺の屋敷を襲うなら容赦はしない」
そう言うと、クマヤンはレオナルドに向き変えた。
「あれを倒すのを手伝って欲しい」
「えっ」
「これは正式な冒険者への依頼だ。勿論、報酬も出す」
レオナルドが元ヴェリタ・ソルレの1人で、その腕も先ほど見て頼んだ。
「…分かった。その依頼受けるよ」
少し考え返事をした。
「僕も戦う!狙いはこの剣のはずだ」
クマヤンにエルジュが訴える。
「よし、みんな付いてきてくれ」
レオナルドと違い、エルジュの力は分からないが巨大モンスターの様子を
見るために屋敷の上へ向かった。
おおくちばしを巨大化したモンスターは、その大足で跳び上がりながら
屋敷に向かっていた。
「揺れはあれが原因か」
屋敷の屋根には、数人が行動しやすいスペースがありそこに、クマヤン達は
居た。
「こんなとこに出るんだ」
レオナルドが辺りを見ながら感想を言うと。
「上空からの攻撃を迎え撃つ為に作ったんだよ!」
自分が考えた様にマユミが答え。
「攻撃ってそんな事があったのか…」
エルジュが指摘する様に突っ込んだ。
「さて、一気に片付けたいから全力で行く!」
「行けるよ!」
クマヤンの宣言に、マユミにが応えた。