真っ暗闇の中、かいりがヒリカの巻物の封を解くと周りが明るくなった。
「ホントに明かりの魔法だったんだ」
クマヤンに渡された、何かあった時の巻物の1つだったが、魔法の名前が
変わってたのでマユミは少し不審に感じていた。
「レミーラじゃないから怪しく感じるわよ。何処で手に入れるのかしら?」
ぱにゃにゃんはマユミに同意した。
「ザルに乗った魔法使いに、珍しい魔法だからって言い値で巻物に、魔法を
入れって貰ったらしいわ」
「彼らしいわね…」
「これで奥に進めるわ!」
マユミの説明にぱにゃにゃんが、呆れているとかいりがズンズンと進んだ。
「まだ進むのー」
「何も見つかってないわ」
「魔瘴も無いしね」
言いながら進むかいりの後にマユミが続いた。
「うへぇ」
ぱにゃにゃんは声をあげながら、進みだしたかいりたちを追った。
「魔瘴が濃くなってきたね」
「目的も果たしたし戻ろうよ!これ以上は危険よ!」
かいりたちが城の奥まで進むと魔瘴が見つかり、2人が言うように魔瘴は
かなり濃くなった。
「フフン、これを使う時が来たわね」
かいりは道具袋から巻物を取り出し2人に見せた。
「あっ!レロハの巻物!」
マユミがクマヤンから渡された巻物を指差して言うと。
「これで魔瘴が晴れるでしょ」
かいりが胸を張り言った。
「うーん…それはクマヤンが出来るかもと言っただけなんだけどなー」
レロハは幻の霧を晴らす魔法らしい。
『霧状になった魔瘴も晴らせるかも知れない』
と言っただけなので確実では無かった。
『もし、機会があったら試したいから1つ持っておいてくれ』
そう言って渡された物だった。
「機会があったらって言ってたじゃない。その機会が今って事よ」
そう言うが早いか、レロハの巻物の封を解くと目前の魔瘴は消えた。
「魔痺が消えた!?」
「ほんとに晴れた…効果があったとクマヤンに言わないと…」
「ほら!上手くいったじゃない!」
一瞬で魔瘴が消えた事に、2人は呆然としながら呟くのと対象に、かいりは
自身の行動が成功した事に胸を張った。
「うん…所であれ何だろう?」
マユミが指差した先には、濃い魔瘴で見えなくなった所に見上げる程の巨大な
塊があった。
「なんか嫌な予感がする…」
そうぱにゃにゃんがいった途端、ゴゴゴゴゴゴゴと振動ともに塊が動き始めた。
「地震?」
かいりたちを追うために城に入った、クマヤンたちは大きな揺れを感じた。
「大きくなって来てるぞ」
「大きくなってるんじゃない近づいているんじゃ」
ソーリスにみみみっくが言った。3人が謎の揺れに動揺していると、奥から
騒がしい声が聞こえてきた。
「何か来る」
クマヤンの呟くとすぐ声が何か分かった。
「だから!魔瘴を噴き出すから戦えないって!」
「離宮の時みたいにまたなるよ!」
マユミとぱにゃにゃんの声だった。
「お前ら無事だったか!」
声の正体が分かると、奥に向かってクマヤンが叫んだ。
「クマヤン!逃げて!」
「魔瘴を噴き出すゴーレムが来る!」