その男性は、有名な住職のもとに行き、これまでの話を説明したあと、
こう言いました。
「このクマのクーさん、まだお葬式をやっていないんです。なので供養の
仕方を教えてください」
この住職はクマのクーさんの供養の仕方を男性に教えると、お経をあげました
すると後日、この男性から住職に電話がありました。
電話のむこうで男性は泣いていました。
「住職ありがとうござました。やっぱりあれはクマのクーさんでした。」
住職が詳しく聞いてみると男性は続けて言いました。
「言われたとおり、供養をいたしました。その日の夜の出来事なんです。
夢の中に、ボロボロになったぬいぐるみが出てきたんです。
よーく見ると間違いなくクマのクーさんだったんです。
ですから私は夢の中で、クマのクーさん?
って声をかけると嬉しそうに首をうなずきました。でも首のところが切れてて
肩からも中身が見えてるような感じですから、うなずくたびにビーズが
バラバラっとこぼれるんです。
いや、うなずかなくていい!少しだけクマのクーさん、教えてほしいことが
ある。もしかして、僕が子供ころ溺れかけた時に、クマのクーさん僕のことを
助けてくれた?
そういうとまた嬉しそうに首を大きくうなずくんです。そのうなずくたびに
ビーズがボロボロっとこぼれるんです。
いやいや、うなずかなくていいから!もうひとつだけ最後に質問させて
クマのクーさんもしかして、僕の息子も助けてくれたの?
そう尋ねると、再び嬉しそうに首を大きく振ってうなずきました。
またビーズがこぼれていきました。
僕の家族はもう幸せなので、これからはクマのクーさんはどうか
幸せになってほしい・・
これからも供養を続けるからどうか、僕たち家族のことは安心してね。
そういうとまた嬉しそうにクマのクーさんは大きくうなずいていました。
ありがとう・・・ありがとうね・・・
そう何度も言うと、クマのクーさんは夢の中でふっと消えていきました。