福引の聖地グレン城下町・・・・。
コツコツ貯めた福引券100枚を使うも、増えるのは小ビンばかりだった。。。
宿屋に響く溜息、皆が無言で立ち去る中ベホイミは一人ベンチで泣いていた。
ゴールドストーン、メダル王のコイン、チェスピース、・・・。
5等以上がたくさん出る福引はもう今のグレンにはなかった。
「もう福引券もお金もないよ(´;ω;`)」ベホイミは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ベホイミははっと目覚めた( ゜o゜!)
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した。
「さっ、帰ってあみごて100本打たなきゃね」ベホイミは苦笑しながら呟いた。
帰ろうとバッグを手にしたとき、ベホイミはふと気づいた。
「あれ・・・?福引券1枚残ってる・・・?」
不思議そうに福引券を見ていると、ビョルン(宿屋のお兄さん)はそっと福引券を受け取り、福引きを回し始めた・・・・。
カランカラン・・・・・ポトッ。
現れたのは黄金の玉だった。
ビョルン「おめでとうお嬢ちゃん。特賞のスライムハウスだ( ^ー'´)」
「!!!!!」
「う、うそ?」
「や、、、。」
「や、やったーーーー。゚(゚´Д`゚)゜!!」
ベホイミは歓喜した!
これを売れば、大金が手に入るからだ。
「もうイーソー狩りも、あみごて100連打もしなくていいんだ(;´Д⊂)」
「強い装備買って、悪霊の神々とも戦うんだ(;´Д⊂)」
ひたすら喜ぶベホイミの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「なにはしゃいじゃってるのかしらぁ?早く行くわよぉ〜。」
声の方に振り返ったベホイミは目を疑った。
「ア、、、アルウェ王妃?」
「何をしてるのだベホイミ!早くセキュリティトークンを導入するのだ!」
「ズ・・・ズーボーはん!?生きていたの!?」
「何だベホイミ、勝手に我等を殺すでないぞ」
「ネ、ネルゲルさんまで!」
暫時、唖然としていたベホイミだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった。
「また、みんなと遊べるんだ!」「もう金策オンラインしなくてもいいんだ!」
かつての仲間達と全力疾走するベホイミ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・。
翌朝、ベンチで冷たくなっているベホイミが発見され、病院内で静かに息を引き取った。