大学を出て緑は警察官になってから世界警察機構の特捜官のライセンスをとったが
渚は高卒で警察官になり2年で早々と警察キャリア組レベルの難易度の試験を受けて特捜官ライセンスに合格し世界警察機構の特捜官になった。
2歳年下の妹の渚のほうが緑より早かった。
緑の警察官キャリアは5年、世界警察機構の特捜官はまだ4年だけど、渚は警察学校の研修も入れれば7年、特捜官のキャリアは5年だ。
職場では妹のほうが先輩なのです。
ただし渚には特捜官助手の東野順平がいつもついている。
順平に緑がイラっとくるのは高校時代と同じ。
4年前の話、
特捜官として初めて緑が逮捕に参加した殺人事件の公判が裁判所で行われた。
事件はまず殺人か過失致死かを争われたが、殺人事件とされ、殺人事件としての裁判となった。現場にいて逮捕された状況から、緑は過失どころか事故じゃあないかと判断し、証人として証人席に立った時、警察側の立場で発言しなければならないのに自分の意見を言ってしまい、上司のハロゲン主任から睨みつけられた。
「現場の状況からして本件は過失ですらなく、ただの事故と判断します」
犯人の顔がぱあつと明るくなった。発言が許されてなかったが犯人が叫んだ。犯人は孤児の19歳の青年ハロルドであった。
「やっぱり、あの状況を気づいてくれてた人がいたんだ!」
検察官が、「一ノ瀬捜査官の陳述はすでに殺人事件と決まっている本件の内容に反しているため証言内容を却下します。
腹中、腹立てた緑は休憩に入った時、
「守秘義務あるけどお前にだけ愚痴るよ。お前は口かたいからな。全部きいてくれよ!」
とエレオノーラにあらゆるいきさつをすべて愚痴った。
裁判の1審がその日終わった後、
その日、同僚から「アレクサンドロス財団のメディカルセンターがおまえも担当してた例の事件の被害者の司法解剖も終わった死体を、遺族の承諾をえて引き取ったそうだ」と聞かされた。
エレオノーラに携帯電話を入れたが、出たのはNPCだった。
「私はNPCエレオノーラですが、エレさんは今たいへんお忙しくて出れませんので私がお聞きしときますね」
緑「あいつ何してるんだよ?」
NPC「緑さんにも秘密だそうです。すいません」
緑の身体は世界警察機構の待機室にあった。
そこへハロゲン主任がやってきて、緑に憎悪にも思えるような怒り方をしたて2時間、緑は上司に一方的に怒鳴られた。
・・・・・・・・
緑はめったと帰らない世界警察機構のすぐ近くのボロアパートの自分の借りてる地下室の部屋へいき、その日はそこで寝た。が、地下部屋の天井をむき出しで通ってるアパートの排水管の水漏れがまたおきて、寝るどころではなかった・・・・
仕方なく、またエレオノーラの家へいき、NPCエレオノーラに世話されて着替えてエレの部屋の豪華なベッドに勝手に寝た。
エレオノーラは2か月間帰ってこず、電話をかけてもNPCしか出なかった。
2か月後、例の事件の2審があつたが、ハロゲン主任から発言マニュアルを渡されていた。・・・・緑はそんなもの無視するつもりだったが。
裁判が開始され、進行していって、最終弁論になったとき
検察官からとんでもない話がはいった
「アレクサンドロス財団のメディカルセンターが被害者の亡くなって司法解剖も終わっていた工場長ペドロさんを蘇生させたそうです。
信じられない話ですが、例の賢者の石の水溶液を使用した技術で可能になったとのことです。本人がこの場で証言したいそうですが、裁判長、いかがでしょうか?」
裁判長「殺された被害者が、解剖も済んだ死体が生き返り、証言するなど前代未聞ですが、弁護士さんの同意あるので許可します。」
死んで司法解剖されたはずの工場長ペドロ・ロプスが元気そうに現れた。
傍聴席の妻が衛士の静止もきかず、声にならない叫び声をあげて駆け寄った。息子たちも駆け寄った。おえつをあげる妻をやさしく抱いたままのペドロにたちに裁判長が聞いた。「奥さん、息子さん、ペドロ・ロフス氏にまちがいありませんか?」
妻と息子が答えた「まちがいありません、本人です」
生き返ったペドロが聞いた。
「発言していいですか?」
裁判長「どうぞ」
ペドロ「私が死んだのはただの事故でクレーンのアームが折れて私にあたったのは急に突風が吹いたからです。うちで働いていたハロルドは関係ありません。彼は無実です!」
裁判はそもそも事件そのものが無くなったので終わった。
19歳の青年ハロルドの生活は元に戻った。
緑がエレオノーラの家にいくと、
専用地下駐車場からターミナルエレベータで上がった玄関前に
エレオノーラが、白衣のドクターの格好で笑って立っていた。
緑「きみの仕業だな。」
エレ「うふ。」