父アルベルトの話、1
アルベルト「エレちゃんは、いまでも自分の前世の記憶をもってるかい?」
エレ「いいえ、子供の頃、幾度も怖い夢をみて、それが自分の宇宙人としていきた前世の記憶だというなぜか気がしてたんです。あれはかなり強烈だったですね。でも、今ではそれは幻覚だったと考えています。体調が悪かったのでしょう。」
アルベルト「でも、その悪夢の内容は覚えてるね?」
エレ「はい、夢の内容ははっきりと覚えてますが・・・」
アルベルト「まず、俺たちエレちゃん、息子、俺の3人が遭遇したおそるべきおどろおどろしい声の金色の仁王像のような殺し屋・・・・・光体の制御者を殺しに来た、と言ってた。イチノセミドリを殺しにきた、とはっきり今でも覚えている。 おい、緑、おまえは光体の制御者で、はるばる、金星か火星から暗殺者が来るほど有名だということ。イチノセミドリがあの日、あの時、あそこにいるとなぜ、あの暗殺者は知ってたのか?」
緑「しるか!」
アルベルト「お前は、はっきりいうけど、光体つまり超生命体アスターティの制御者だという運命を定められてる、可能性がある。しかもそれは火星か金星の宇宙人にとって暗殺者を差し向けるほどに邪魔だ!ということだ。これで、俺と峰子が超生命体から聞いた話のつじつまが合う。」
緑「一人で納得すんなよ! なんのつじつまだ?」
峰子「じつは、私たち宇宙飛行士には厳重な緘口令がひかれているのだけど、いまその誓約と命令を破ります。火星と金星には、まだその年代はわからないのだけど、超古代文明の痕跡があるのよ。 何億年か前にこの2つの星に生命どころか、知的生命がいて、文明があった」
緑「ベタな展開だな・・・・あほらし」
峰子「その生命体は嫌気性の酸素を毒とする生命だったとおもわれる。ただし、火星の文明のほうがあきらかに古いのに、その知的生命の『痕跡』がない。火星には微生物の化石しか発見されてない。それに関して、火星まで行って現場で調べた生命発生学者ユトノフ氏の話だと、知的生命は単細胞生物で群体になり思考を共有しあった可能性があるという。
金星の生命は、生命の残骸の可能性のある化石が発見されてる。それは、火星の生命が金星に進出し、金星で進化し、人類の形になった、と思われること。嫌気性の生物である彼らにとって酸素は猛毒で、地球は彼らには住むに値しない地獄だった、ということ。」
峰子「4回目以降の火星有人探査計画が飛躍的に進んだのは、メリ合州国とルシュカ連邦国が協力してる以外に、世界財閥アレクサンドロス・コンツエルンが超大国と同等の資金提供をしてるそうですね」
エレ「はい、私がそう指示しました。技術提供もかなりしています」
緑「さすがーーーー権力と財力のかたまりだな(^^♪」
アルベルト「結論からいうと、僕がエレちゃんから聞いたエレちゃんの前世の宇宙人の記憶と、僕が峰子と超生命体に見せられた387兆年前の記憶がほぼ同じ内容なんだよ。」
アルベルト「超生命体は、自分はこのア-スティアラの人間に転生する、と最後にいって姿を消したんだ。」
アルベルト「つまり、エレちゃん、きみが超生命体アスターティの転生だということになる」
緑「おろ~~~?!」
エレ「?!さすがにそれはないと自分でおもいます。お二人の結論に同意せず、すいませんが私は・・・・お二人のお考えには賛成も同意もしません。納得しません!」
アルベルト「まあ同意しなくてもいい。きみには『ドウルガの呪い』というアースティアラを滅ぼす呪われた運命が、デスによってどうやってだかわからないが、定められている。
おそらく、緑、お前はエレちゃんをその運命から救う唯一の存在だということだ。」
緑「びっくりどっきり~~~て、んなわけねえだろ~~いいかげんにしろよ。テキトーなこというな!親父もおふくろも!」
アルベルト「まあ、なんでもいい、とにかくおまえたちがなかむつまじければ、エレちゃんは呪われた運命から救われるはずなんだ。簡単なことだ。おれたちがいいたいことはそれだけさ」