トロン事件、2
「できた」エレオノーラが叫んだ。
「この角速度でこの粒子を打ち出し、加速つけて・・・・お願いします」
ほかの物理学者「技術的に無理なんじゃない。」
エレ「完全じゃなくていいんです、この効果を狙ってますから」
ほかの物理学者「ほう」
エレの言うとおりの装置が即席で作られ、すぐに起動されて、ブーンとあたりの空気が響き
なんと、3人の人間のおぼろげな形が現れ、そしてそれは完全な姿になった。
「生きてるか」
3人がそろっていった「ああ、生きてるぞ! ありがとう」
仮眠していた大統領が驚いて飛び起きた。
「むにゃむにゃ、いったいどうしたんだ」
「大統領閣下、ただいま無事帰還いたしました」2人の兵士が大統領に報告した。
大統領「驚くべき子だな、だれにもできなかったのに。たいしたものだ」
ヨハネス氏「うちの孫娘の仕事料は1億ドルでいいかな? ドーベルくん」
大統領「・・・・と、とりあえず、議会に報告して認可をうけないとな」
ヨハネス氏「あんたがいま、自腹で小切手きればいいんじゃないか?」
大統領「うう、それはかんべんたのむよ。ヨハネス氏」
エレ「あの、大統領さん、私この茶封筒のデータ数字をいただいてもいいですか?」
大統領「それはだめだよ、お嬢ちゃん、軍の最高機密だからね」
エレ「おじいさま、お礼はこの茶封筒のデータ書類をいただけるように言ってください」
ヨハネス氏「エレや、それじゃあお金にならないぞ。アレクサンドロス家の家訓には、ただというのはないんだ」
エレ「おじいさま、おねがいします」
ヨハネス氏「お前が頼むのなら仕方がないな。おい、ドーベルくん、この茶封筒を孫娘にやってくれ」
大統領「仕方ないな。じゃあ報酬は、その茶封筒の軍の最高機密書類だが、まあ特別に見なかったことにして持って帰り給え」
エレ「ありがとうございます。」
ヨハネス氏「やれやれ、一晩かけてタダ働きか。まったく年寄りにはきついわい。早く帰って、エレ、おまえの作ってくれるマカロニスープがのみたいわい」
エレ「はい、おじいさま。では大統領と物理学者のみなさん、またおあいしましょう。じゃあね」
ヨハネス氏とエレオノーラは帰っていった。