黄の魔女は広間で言った。
「黄の都には問題は何もおきていないのです」
「黄の都は大勢のパテシエが住んでいて、おいしいお菓子とお茶の街でもあるんですよ。美味しいお店を知ってるのでそこでお話しましょう」
黄の広間をでると、そこには黄色の広い広場があり大勢の人々が行き来していて、広場のあちこちではテーブルと椅子が置かれ、みんながお茶を飲みながらチョコやお菓子をほおばっていた。
扉をでて後ろを振り返ると、そこには黄の魔女のコハクの城がそびえていた。
女王「黄の都市の東町3丁目の2-3に美味しいとびきりおいしいチョコとお菓子の喫茶店があるそうですね。召使たちもみんな休みの日にはそこへ行くそうですね」
黄の魔女「そうですね。あの店はとびきりのパテシエがいるんですよ。今日お話しがしたかったので予約しておきました。ふつう3時間は並ばないと入れないんですよ」
僕は「へえ~」と言うしかない。
「ここです」
若い女の子だけじゃない。おじいさんや子供。しゃべるぬいぐるみに、服をきた犬やウサギや猫も並んでいる。
コックの格好をした小さな男の子が叫んでいる「すいません。最後尾は後3時間おまちいただかねばなりません」
店の中に入ると、なんとぬいぐるみたちがウエイトレスをしていた。犬やウサギ、クマのぬいぐるみがエプロンをつけて忙しそうに働いている。
僕たちが立っていると、さっきのコック姿の男の子が話しかけてきた。
「これはこれは青き女王さまと青き勇者さま、お二人においでいただき光栄です」
「ハルノくん、5席を予約しておいたはずだけど。」と黄の魔女が男の子にいった。
「はい、お2階の特別VIPルームにとってあります。どうぞ」とハルノ呼ばれた男の子が答えた。
目の前にある黄色の木の階段を上がると、そこには海と砂浜の見える大きなテラスのある少し広い部屋があり、テーブルと椅子に僕と女王と黄の魔女とファイガとタマちゃんの席が準備されていた。白いおおきな陶器の紅茶ポットと美しい黄色の紅茶カップと皿が5組と目の前に「紅茶に入れる用」と書かれたいろんな種類のジャムと目の前に銀の皿に紙ナプキンがひかれその上に山盛りにチョコレートにクッキーやケーキが盛られていた。
みんなが席に着くと、黄の魔女が話し始めた。
「この黄の都市の少し遠くに石人の町があります。
色々な石で身体ができている生きている石たちなんですが、彼らの王が暴君で、一日一人を石砕機にかけるんです。気に入らないことのある日には何人も石砕機にかけられることもあります。」
僕はいった「それってめちゃくちゃ緊急な要件じゃないですか?」
「いあ、その石人の暴君に石人の女の子で話を作るのが上手な子がーー王様、私のお話をお聞かせしますのでお聞きくださいーーって話を自分で即興で作っては面白い話を聞かせて、それで王様はーーおお、おもしろいおもしろいーーって夢中になって今は処刑は行われてないんですよ。うふふふふ」
僕は「それってウフフフフって言ってるような事態じゃないでしょ。めちゃくちゃヤバいですよ。だってもしその女の子の話のネタが切れたら、その女の子は殺されるんじゃない?」
「話のネタなんて切れないでしょ? 頭からでてくるんだから尽きることないでしょ?」
「とんでもない。漫画家でも話のネタが切れて死ぬほど悩むって聞いてます。すぐ助けに向かいましょう。その女の子が暴君におもしろい作り話をきかせ始めたのはいつ頃ですか?」
「半年前ですね」
「ありえない、もうネタ切れで殺されてるかも」