カントコの冒険日誌

『作り笑顔』 と 『贈り物』 には、気を付けろ

亡くなったばあちゃんが、見守る親族を前に死ぬ間際で叫んだ言葉が、ソレだ。
ばあちゃんの人生がバラ色だったことを、疑わざるを得ないぜ・・・。

いま、まさに。

その分かりやすい具体例が、オレの家の前に立っていた。
つまり・・・。  気を付けろ！！


そういや、ちょっと前も、このチンチクリンは来ていたな。

『ここは、オレのネバーランドだ。敷地に入るなら、入場料をよこせ。』

応答が無かったから放置したところ、ヤツは消え失せていた。



しかし。

幸薄いオレは、このチンチクリンの腕に抱えられたプレゼントに対する欲望を、抑える事が出来なかった。

『ねえ、キュートなキミ。そのプレゼントの中身を教えてくれないか？』

物騒な昨今。中身が何であるか確認してから箱を開けるのは常識さ。
しかし、彼女ニコニコしながら答えたのは

『好きなキャラと、その理由を教えて欲しいなの！』

コイツ、イカれてるのか！？   会話が全く噛み合わないぜ。
しかも、えらい短い文字数で理由までって・・・。

オレは素直に答えたさ。
『マイメロディに出てるバクくん。』

ああ。  もちろん、理由までは書けなかったさ。


でも、このチンチクリンは。

その手のプレゼントを手放そうとはしなかった。

ばあちゃん。

ばあちゃんの言っていたコト、いま理解したよ。
物欲に駆られ、コイツを信用したオレが・・・バカーンだったわ。



そう判断し、オレが懐のレールガンを取り出しコイツをデリートしようとした、その時。

危険なチンチクリンは、はるか大空に飛び去ってしまった。

なんなの、コイツ・・・。

しかし、彼女のいた場所には、 『ウェナールシェル』が落ちていた。


・・・・・・。


オレはそれを手に取り、少し考えを改めたよ。

やっぱ、迷わずこの場所でデストロイしておけば良かったって。

こんな安いお駄賃で、多くの冒険者が貴重な時間を振り回されるなんて不幸の連鎖を
オレの手で止めるべきだった。

次に会ったときは、目視確認時点でトリガーを引くぜ。
それが、世界を守る小市民たるオレの仕事さ！


あ、そういえば、ばあちゃんまだ生きてたわ・・・。



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