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トキメキナース

カントコ

[カントコ]

キャラID
: LM586-013
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: バトルマスター
レベル
: 128

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カントコの冒険日誌

2017-10-17 04:22:45.0 2017-10-18 00:16:25.0テーマ:フレンド募集

 恋をしたみたいです 2017

ただひとつの使命のために生きてきた。
それ以外の出来事や感情など、微塵も気にかけることなく。

恋愛なんて、ボクには必要がなく、そもそも無縁なものだと思っていた。
でも、そうなんだ。
それがボクにとって、とても大切なモノだったと・・・

気付くのが、遅すぎた。


長い旅の果てで、彼女とボクは、やっとたどり着いた。
この世界を狂わせた、全ての邪悪と災厄の源である祭壇。
選ばれし巫女である彼女を ここまで護り導くのが、ボクの使命。

彼女が この祭壇に浄化の祈りを捧げれば
ボクたちの世界を蹂躙する魔獣と瘴気を、一瞬で無へと昇華出来る。


しかし、その祭壇へつながる唯一つの道には
鋼の鱗をまとった蒼の巨竜が立ち塞がっていた。

まともに戦っても、ヤツのまとう鋼の鱗は、強力な剣撃も魔法も、全て弾いてしまう。


ボクがヤツの餌食になる事で、彼女を祭壇に走らせる時間を稼ぐ。
それが唯一の策だった。
もちろん、この策の真意を彼女には告げていない。

『 よく聞いて。 ボクが先に仕掛けて、ヤツの攻撃を受け止める。』

『 その隙に、私が祭壇に走ればいいのね。 』

ボクは、巨竜の挙動から目を離さず、コクリとうなずいた。

『 いい? 絶対にボクの方を見ちゃダメだ。 祭壇だけを見て走るんだよ。 』

ボクの横顔をまっすぐ見つめながら、今度は彼女がコクリとうなずいた。

そして、巨竜が動きを止めたその瞬間。

ふたりは同時に地を蹴り、それぞれの目標に向かって走り出した。


・・・あれ?
なんで、ボクはこんな事をしてるのだろう?
何のために?
ああ、そうだ。 世界を救いたかったんだ。

いや・・・、違う。
この人を、守りたかったんだ。

ずっと一緒に戦ってきた、この人を。
ボクは、いつの間にか、好きになっていたんだ。

くそ。
気付くのが、遅かったよ。



恐怖で震える体を立て、竜の足元でその巨体を仰ぎながらボクは心の中で叫んだ。

( さあ、遠慮なくボクを殺せ! )

願いは叶えられ、振り下ろされた巨大なツメがボクの身体を貫いた。

ここまでは計算通り・・・ では無かった。

激痛で歪んだボクの視界には、足を止め、血まみれのボクを呆然と眺める彼女の姿が映っていた。

『 馬鹿! 足を止めるな!!
  祭壇へ・・・。ボクの屍を越えて行け!!  』

ボクの一喝で正気を取り戻した彼女は、力強く頷いた。


しかし、彼女が踏み出した第一歩は、よりによってボクの大切なパーツを踏んでしまったのだ。





『 あふッ!? 』


『 あ、ごめ!? 越えて行け! っていうから・・・。 』

『 え、いや、それでイイんだ。 でも、どうせ越えるなら・。』


ボクはおもむろに鎧を脱ぎ捨て、彼女の靴の裏をよりダイレクトに感じられる準備を整えた。





『 さぁ、祭壇へ! ボクのこか・・・いや、屍を越えて行けッ!! 』


彼女は眉をひそめながら小さく頷き、
2度目の屍越えにチャレンジした。


『 こ、ここかな? 』

『 そ・・。ら、らめ・・・。 』

『 え? ダメ!? 』


『 ううん。 や、やめちゃ らめ・・・ 』







『 だったら このオレ様が もっと強く踏んでやろうか? ああん? 』



『 ああ!! このパターンは!? 』

『 保釈期間中だってのに、ずいぶんいろいろ元気じゃねえか、この変態ヤロウ! 』


巨竜もあきれるこの騒動の隙に
選ばれし巫女は祭壇に祈りを捧げ、世界は救われた。

ボクの使命は終わったのだ。

しかし、平和の立役者であるはずのボクを出迎えてくれたのが
彼女でも家族でもなく、刑務所のイカツい看守たちであったことは

もはや説明するまでも無いだろう。


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