『 ほう・・・。 まだ生きている人間がいたとは。 』
魔族の女は、無表情のまま、オレを見下ろしていた。
『 しかし、息絶えるのも時間の問題のようじゃな。 悔いはないか、人間。 』
・・・無念しかなかった。
魔族は、このままオレの国に向かって軍を進めるだろう。
蹂躙される仲間、家族を想像すると、胃の底から焼けるような憎悪がこみ上げる。
そして今 この憎悪だけが、オレの心臓をわずかに動かしていた。
『 まだ我が魔族に仇為すというのか、無力な人間よ。 』
オレは、女の目を睨みつけた。
『 ふふ。 おもしろい。 』
『 無力な人間よ。 我が血を、おまえに分けてやろう。
人ならざる苦悶の運命を 受け入れるのであればな。 』
憎悪で生きながらえているオレは、この時点で、既に魔の側かもしれなかった。 つまり、運命はもう、決していた。
彼女は頷き、すくとその場に立ち上がった。
『 ・・・では、契約の儀に移ろうか。
魔族になる意志を 自らの声で宣誓するのじゃ。 』
『 ・・・ごふっ 』
『 喉に溜まった血で、声も出せないのか。
残念じゃが、THE END のようじゃな。』
彼女は背を向け、歩き始めた。
~ ここで、終わるのか ~
オレは、血を吐きだしながら、声にもならない声を絞り出した。
『 ま・・・、ぞ・・・・・、ぞ・・・く・・に、
して、・・・くれ。 』
魔族の女は、にやりと笑った。
『 よくぞ申した。 契約成立じゃ。 』
彼女は 自らの左腕を切り裂き
吹き出す血しぶきを、オレに浴びせた。
『 ここに、魔の命を与えよう。 じゃが。』
『 オマエの血肉も魂も、その股間の剛なる巨剣も、我が供物。 』
『 今日からオマエの全ては、我のモノなのじゃ! 』
オレの心臓が、強く鼓動を打ち始めた。
『 へえ~。 それでカンちゃん、マゾ族になっちゃったんだ? 』
『 う、うん・・・。
宣誓で「ゾ」がひとつ多かったみたいでさ。判定、厳しいよな。』
『 で、マゾ族になってみて、どうなのよ? 』
『 う~ん、もともとドMだからねえ。
やってること変わらんけど、肩書き付いちゃったカンジ? 』
『 ねえねえ、そのご主人様って、強い女性(ひと)なの? 』
『 うん。 特に夜がな。 』
『 んまっ!♡ 』
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