☆ ハートフル・ファミリー・ドラマ ☆
『 ママとのんちゃん 』
第一話:恐怖のキャラ弁当
「 ねえ、ママン。 わたしのお弁当、どうしていつも梅干し一つしか乗ってないの?
お友達のは、毎日メニューが変わるし。 か、かわいいし・・・。 」
『 ママ、先月まで男だったから、日の丸でも精いっぱいなの、ごめんね。
出来るとしたら、梅干しを並べてお星様を描くくらいよ。 』
「 のん、キャラ弁が食べてみたいな・・・。 」
『 のんちゃん・・・。 』
ネギと一緒に指も刻んでしまうほど不器用なママントクに
キャラ弁を作る技術など、あろうはずもなかった。
しかし、父子家庭で育ったママントクには、
娘の気持ちも、痛いほど良くわかる。
静かに目を閉じ大きく深呼吸をすると、ママントクは優しく娘に語り掛けた。
『 ねえ、のんちゃん。 明日、ママの初めてのキャラ弁、食べてくれるかな? 』
「 ま、ママン!? 」
ママントクは、のんの目を見ながら、笑顔で頷いた。
『 じゃあ、さっそく準備よ。
のんちゃん、これから言う食材を買ってきてくれるかな? 』
「うん、うん! 」
ママントクは、クックパッドADの食材リストを読み上げた。
①ミートボール ×2
②エリンギ茸(大) ×1
③おいなりさんの皮 ×1
「 他には?? 」
『 そうね、焼き海苔を1枚かな?
うん、これできっと大丈夫よ。 』
ママントクからお金を受け取ると、のんは嬉しそうに家を飛び出していった。
★~~~~~ 翌 朝 ~~~~~~★
『 のんちゃん。 はい、どうぞっ♡ 』
ママントクの手には、かわいくラッピングされたお弁当が乗っていた。
「 ありがとう! ママ、大好き♡ 」
『 んま! のんちゃんったら♪ 』
「 学校で、お友達に、思いっきり自慢しちゃうんだからっ! 」
『 えっ!? 待って! のんちゃ・・・・・。 』
ママントクの言葉も聞かず、のんこは学校に向かって駆け出していった。
★~~~~~ 夕 方 ~~~~~~★
帰宅したのん の表情は、まるで魔族のように暗く冷たかった。
「 ねえ、ママン。 あのお弁当のキャラについて、説明して。 」
『 ん? わかり辛かったかしら?
アレは、ガネーシャ・エビルよ。 』
「 えッ!? 」
『 ほら、のんちゃん、ドラクエが好きだから。 』
「 やだわたし、てっきり・・・。 」
『 え? てっきり・・・? 』
「 あ、ううん、なんでもないっ! 」
耳まで顔を赤くしたのんこは、逃げるようにして2階に駆け上がっていった。
『 まあ、のんちゃんったら、ヘンな子ね・・・。 』
実は。
友達から ” 下ネタ弁当 ” とからかわれ、
結局のんは、ガネーシャ弁当を食べずに持ち帰ってきていた。
弁当に浮かぶガネーシャを見つめながら、
のんはひとり静かに悩んでいた。
~ ママンはなぜ、スライムやドラキーといったメジャーでかわいいキャラでなはなく
めっちゃマイナーでキモい、ガネーシャエビルを選んだのだろう? ~
そして、弁当に描かれたガネーシャには 目も牙も無いというのに
ママンは本当に象を表現したかったのか?
しかし、考えれば考えるほど食欲が失せるデザインであることだけは
のんが頷ける、確かな事実であった。
☆彡 お時間あったら、過去日誌もご一読プリーズ (・ω・)ノ
☆彡 ガネーシャ弁当の次は、エンタシスマン弁当らしいっす
☆彡 ママントクのガネーシャ・強は、現在お休み中です
☆彡 カソトクの風邪症状は新型じゃなくって花粉症デビューだったらしいっす