ある夏のことだった。
いつも通りの時間に、彼の家の扉をノックした。
とん! とん! とん!
いつもの様子で、彼が顔を出した。
「おはよう!ももちゃん!」
「今日も可愛いね~!」
これは彼のいつものノリである。
そう言ってくれるのは嬉しいけど、
正直、さすがに気持ち悪いと思う時もある。
彼と付き合い始めたのはおよそ1年前だ。
少し前の彼はぎこちない感じだったが、
今は立派に調子に乗っている。
お調子者め。
☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚☆≡。゚.☆≡。゚
それからは、2人で一緒に学校へ向かった。
道中、また可愛いねと言われた。
しつこいなー笑
でも不思議と悪い気はしなかった。
クラスは違ったので、
学校へ着いたら一度バイバイした。
教室に入ると友達がもう来ていた。
「おはよー!ももちゃん!」
こちらは可愛いとは言ってくれなかった。
てか、何を期待してたんだ私…笑
この友達は小学生からの友達で、
やたら、私のことをイジってくる。
先程の彼とは、ある意味で、対称的と言える。
その後も、続々と友達が教室に入ってくる。
およそ30人弱のクラスメイトが揃った。
今日も学校が始まる。
☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚☆≡。゚.☆≡。゚
私の学校は2つのクラスで構成されていて、
1学年で60人にも満たない、小さな学校だった。
こういう学校の悪いところは、
仲の良い人が固定されやすいところである。
クラス替えしても同じ人とあたりやすいからだ。
だけど、学校はとても楽しかった。
変わらない毎日。
変わらない友達。
変わらない彼氏。
私はとても幸せだった。
☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚.☆≡。゚☆≡。゚.☆≡。゚
家に帰ってからは、
ドラクエ10をずーとやっていた。
フレンドは少なかったが、
とても優しいフレンドさんばかりであった。
特に、メロンとはとても仲が良かった。
メロンと言うのはプレイヤー名である。
本名は知らない。
一緒にストーリーをやったり、
一緒に魔法の迷宮に行ったり、
一緒にイベントに行ったり、
とても仲良くさせて貰っていた。
しかし、ある日を境に、
メロンがログインしなくなってしまった。
虚しく映る最終ログイン日。
何があったかは知る由もない…。
私は喪失感でいっぱいだった。
しかし、その理由を思わぬ所で知ってしまう。
それは、私の運命を変えるほどのことだった。
→つづく→
(連絡)
とくになし。