〇月〇日
もう、あれから何日経ったかわからない・・・
私は、パインを探していた。
面影を、笑い声を・・・・
今まで、パインと一緒に行った場所、何度も後ろを振り返っては、パインを探す。
いつも後ろをついて歩く、弟のパイン。
討伐などで貯めてたお金を、全部使ってコインを買えるだけ買い、1人で迷宮に潜った。
ピンチになれば、パインが回復してくれる。必殺技で、レンダで覚えたばかりの技を使って・・・
何度も何度も力尽きては、迷宮に潜り、また力尽きて、潜る・・・・
パインが居なくなって以来、姿を見せることのなかったフランが、突然私の前に現れた。
「実はお別れを言いに来たんだよ。」
「パインが、私に道を示してくれたんだ。」
「あいつの側に居ながら・・・どうして気付いてやれなかったのか。悔しくてたまらないよ!」
そう言って、あの時のノートを出した。
「実はパインが死んだ原因は、私と切っても切れない運命だったんだよ。」
「パインの手紙とこのノートが教えてくれた。」
「生意気に、みんなに心配かけまいと1人で抱え込んで・・」
「どんなに辛くて、怖かったか・・・」
「一人の時。どれほどの夜をどんな思いで過ごしてきたのか・・・想像しただけで・・涙が出る・・・」
「あいつは、弱虫なんかじゃない。決して臆病なんかじゃない。」
パインは誰かに?誰かに殺されたの?
私も行く!!!
パインの仇をとれるなら!!!!
「これは、私の運命だ、おまえは連れていけない。」
どうして?!
仲間でしょ?ライカも一緒に!!
そういえば、ライカは?・・・
「お前と似たようなもんだよ・・・」
「毎日、ラッカランのコロシアムに籠って大暴れしてるよ。」
「あいつも、パインの事を自分の息子のように可愛がってたんだ・・・無理もないさ。」
「やり場の無い怒り、悲しみ・・・戦う事でしか気持ちを保てないのさ。」
「すでに、阿修羅のようなオーガの女が、コロシアムの伝説になりつつあるって噂だ。」
「本当にそうなる前に、私がレンダーシアに連れてかえるよ。」
「むこうには、ライカの旦那もいるし、ライカだって愛する夫の側にいれば大丈夫なはずさ。」
じゃぁ、私だけでもパインの仇を!!!
「馬鹿いってんじゃないよ!!」
「おまえごときが一人いたって、今はどうすることもできないんだよ。」
「それにお前を、この呪いに巻き込むわけにはいかない!!」
「ディオーレ・・・お前には帰る場所があるだろ。」
「お前には、お前の運命があるだろ?」
「パインだって、お前に仇を取ってもらおうなんて思っちゃいない。」
「自分の運命を見失うな!お前にはこの先、もっとやらねばならない事があるはずだ。」
「ヴェリナードの女王として。」
「私は信じてるよ・・・」
「必ず、この悲しみを乗り越えられるって。」
「なにしろ、私の見込んだ仲間だからね・・・」
そう言い残してフランは姿をけした・・・・
ひとりぼっちに・・・なっちゃった・・・
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最後までご覧頂き有り難うございますm(__)m
非常に個人的な妄想、物語日記になっておりますが、過去の投稿もご覧になって頂けると幸いです。
それではまた、次回のディオーレ日記でお会いしましょう。