「連れてくんのきつかった。」
そう一言つぶやくのは、アラハギーロ国王により新たにバトルロードの管理人として任命されたカレヴァン氏。
-- 闘技場のモンスター達はどのように仕入れてきているのでしょうか。
「我々はまもの使いのはしくれです。基本的には自らの腕でスカウトしてきます。
スカウト研究が進んでいるモンスターについては既に各地に出回っているスカウトの書というものを読めばその魔物の特徴、心の通わし方、そして何より魔物を許し愛することに対する、いわゆるマニュアルみたいなものを熟読して頂ければなんとかなります。
しかし、書がないモンスターに関しては、手探りで探っていかなければなりません。
このバトルロードに参加しているモンスターに大半については、書が無いモンスター達になります。
一匹一匹、数々のまもの使いの研究成果が詰まっている仲間になりますので、以前にウェナ諸島で噂の広まった魔物取引などといったことではないです。」
-- なるほど。分かりました。
しかし、中には相当凄いモンスターも仕入れているとの噂がありますが…
「その通りですね。
我々でも研究が進んでいないモンスター達も、この闘技場には沢山います。
…実はお恥ずかしい話ではございますが、管理人として任命されたときに、さすがに私一人で仕入れから何まで行うのは無理だと思っておりました。
しかし、アラハギーロを行き来する冒険者のまもの使いの話を聞くところ、プクランド大陸の辺境に代々まもの使いの血を引き継ぐ同志の話を伺いました。
長年の歴史のノウハウを生かしたい、という夢を語ったところ快く承諾してくださいまして、中には一部彼女からお譲りした仲間もおります。
たとえば彼…プラチナキングです。
臆病者な彼でも心を許すような母性。
まったく、クラハ殿は凄いまもの使いですよ。」
-- ああ!私も何度かお会いしたことあります!
彼女からお受取りした魔物もいるのですね!
「はい、その通りです!
…しかし、最近では厄介な部下ができまして。。。
彼が連れてくるモンスターは協力でバトルの盛り上がりも最高です。
が、従来通りのスカウトという形ではなく、
【契約】といった方法を使う者もおります。
…契約は代償が激しい。
彼にはもう辞めるように伝えておりますが、スカウト作業中まですべての部下を見れる訳ではないのが辛いです。」
-- ちなみに、その彼が連れてきたモンスターを見せてもらっていいですか?
「少々お待ち下さい…
…お待たせいたしました。
これが【契約】により一時的にスカウトした
バラモスブロスです。
-- えっ!?
「バラモスブロスです。」
-- バラモス…ブロs…ぇ?
「バラモスブロスです。」
-- あの、契約したとかいう彼ってのは…?
「ブロスの隣のホネです。」
-- ………………
「ああ、ご安心ください。
ブロス返却の際に解除してくれるそうです。」
-- 彼、無事だといいですね。。。
「そうですねw」
※フィクションです。