オイラは銭に困らなかった事はない
幼少よりお小遣いはほぼ相場の半額以下
同級生が部活帰りにパンやジュースを口にするところ
オイラは当時20円だったキャベツ太郎で飢えを凌いでいた
高校時代の昼食は袋に入ったバターロール(8個入)を毎日一個づつ食べていた
時には、同じく貧困に喘ぐ友バクレツ(彼のあだ名)が所有するバタースティック(10本入)とトレードし味チェンした
ジュースなど買わない、校舎の蛇口をひねれば水が出るからだ
鬼母とスーパーなどに買物に行ってもジュースやお菓子は買って貰った記憶がない
鬼母とマックでハンバーガーを食べる事があっても
どんなに懇願してもマックシェイクを飲ませてもらえなかった
因みにマックシェイクを初めて口にしたのは高校に入ってからだ
あの感動は今でも忘れない
鬼の口からは毎度のように
『うちはお金がないから無理!』
おかげでどんなに貧しくても生き抜く知恵と逞しさを手に入れた
学生時代はひたすらバイトに明け暮れ
免許も車も自分の力だけで手にした
家を建てる時にも鬼と従僕に一切頼る事なく自分だけの力で手にした
まぁ当たり前の事だとは思うが周りにはまだまだちょいちょい脛をかじっている輩もいる
そんな輩に言いたい
大事なのは柔軟な発想と忍耐力、そして根性だ
この要素はドラクエでも活用されている
おびえと混乱と呪いとブレス耐性80%
これらを全て揃えるとなると軽く四桁万ゴールドが必要になる
しかし、宝珠やベルトを活用する事により出費を四分の一以下に抑える事が出来る
創意工夫や柔軟な発想によりいかようにもなるのだ
これは鬼から授けられたスキル、今となっては感謝している
昨日、実家の片付けに駆り出された際
鬼の従僕(親父)の当時の給料明細が出て来た
中身を見てオイラは火がついた
ボーナス一撃で軽く結構いい普通車が買えるじゃねーか…
これまで抑圧に抑圧されてきたオイラの中で何かが弾けた
給料明細を握りしめ怒りの業火に包まれたオイラ
オイラのこの炎は如何に鬼でも消す事は出来ない
この日の晩御飯はA5和牛になった