大坂なおみ選手が世界ランキング1位から陥落とかなんとかのニュースを見かけた
世界1位なんて想像もつかない世界で
これが例え5位になったとしても想像がつかない世界であることに変わりはない
オイラは出来る事に限り
大した努力もせず人並みよりやや出来る位は出来た
だが、本気で努力した事はない
一番になれないのがわかってしまうからだ
一番になれないならやらない
努力してGOODプレイヤーにはなれてもBESTプレイヤーにはなれない
例え人より走るのが速くても、スポーツが出来ても
絶対に超えられない壁が目の前にあって
その壁に至る前に歩くのをやめてしまう
出来ることですらやらないのだから
元々出来ない事は輪をかけて出来ない
そんなタマネギ剣士の様なオイラの考え方を大きく変えてくれた
同級生のT君としばらく振りに再会した
T君は生まれつき手の指が五指まともにない
一本異様に長く歪な指もあれば、極端に短い指もあり
幼いながらにオイラはそれを異形と認識していた
今でもデリカシーに欠けるオイラ
ガキンチョ時代は更にデリカシーに欠けており
よくT君の指についてあれこれ聞いていた
面白がっていたのだと今考えれば思う
部活も一緒だったT君と、ある日ジュースの買い出しに
ビニール袋に沢山詰め込んだ飲み物
ビニールの手持ち部分が指に容赦なく食い込み兎に角痛い
まともに持てる指が二本しかないT君
こりゃ絶対痛いだろうと荷物をこちらによこすよう声をかけた
T君はニヤリと笑い手元を見せた
そこにはビニールの取っ手に巻かれた500円硬貨
こうすれば指に食い込まず痛くないと笑顔で答えた
音楽の授業でリコーダーを吹いていたが
オイラはT君に指届かないから吹けないねwとからかった事があった
T君はニヤリと笑いオイラにある物を見せた
自分の指でもリコーダーが吹ける様に自作した器具だった
音色は覚えてないが下手だったと思う
某漫画で流行っていたマッチケースを指で弾く遊びがあった
オイラはT君には出来ないねwwwと話しかけた
T君はニヤリと笑うと何がどーなっているのかわからない複雑な動きで
マッチケースを弾いてみせた
T君『皆んなと同じ事は出来ないけど、皆んなに出来ない事なら出来る』
こうドヤ顔で言われたのを今でも鮮明に覚えている
ひょっとしたら自分にも一つ位は人より出来る事があるんじゃないか
例えばそれに順位がつけられないだけで分かりにくいだけで
比較しようがない、順位がつけられない様な事に
オンリーワンの才能があるんじゃないか
それからは
出来ない事には工夫を
出来る事はそこそこに
自分が自信を持てる事には妥協しないよう努めた
まぁ、根っからの怠け者のオイラ
だからといって何かを成し遂げたわけではない
でもT君には改めてお礼と当時のデリカシーの無さにお詫びを述べた
嫌味一つ二つは言われる覚悟だったオイラに
T君がかけた言葉はありがとうだった
気味悪がらずにズケズケと話しかけてくるのはオイラ位だったそうだ
だから大人になってもそのままでいいと思うと言われた
オイラは嬉しかった
一緒にお酒を飲む間もデリカシーも遠慮もなく
ゲラゲラ笑いながら馬鹿話をして共に過ごした
帰宅する車の中でオイラはハッ!っと質問を一つし忘れた事に気付いた
ねぇ、T君は手○ンはどーやってんの?(最低かよ