2021-09-09 01:25:33.0 2021-09-13 03:13:59.0テーマ:プレイヤーイベント告知
イベント名 |
都市伝説を語ろう(第13回) =心霊から理論物理まで謎を語り合う会=
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スケジュール |
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イベント開催 場所 |
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参加条件 |
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イベントの内容 |
【下天の夢】
思へばこの世は常の住み家にあらず 草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし 金谷に花を詠じ、榮花は先立つて無常の風に誘はるる南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり 人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり一度生を享け、滅せぬもののあるべきか これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ (幸若舞「敦盛」より) この幸若舞は、織田信長が舞いを舞ったことで有名です。特に「人間五十年~」の行クダリは、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。 幸若舞とは、室町時代に流行した曲舞で、舞いを舞いながら歌を歌い、一つのストーリーを構成する、今風に言えばマイケル・ジャクソンのビデオクリップを連想すれば分かりやすいでしょう。 人間五十年とは、寿命のことではなく、人間世界の五十年は化天(天上界のこと。下天とも書く)に比べて夢のように短く幻のように儚いものだという意味です。 「敦盛」は切々と訴えます。 日本中が源氏と平家に分かれ、血みどろの戦いをしていた平安時代末期の話。 一ノ谷の合戦で敗れた平家は、次々と船に乗り込み敗走していきます。その中に逃げ遅れた一人の若武者がいました。 その名は平敦盛。平家の当主平清盛の甥に当たり、弱冠16歳にして笛の名手でもありました。そんな彼が祖父の代に鳥羽上皇から賜り、代々受け継がれる家宝の笛を置き忘れて来たため、取りに戻ったことが遅延の原因となったのです。 遅れてきた敦盛を見て、沖合いの退却船も再び浜へ船を寄せようと近づいて来ます。 そのとき敦盛の後ろで呼び止める声がしました。 源氏の追っ手がすぐ後ろに迫っており、敵将らしき者が敦盛に一騎討ちを挑んできたのです。 最初は相手にせず船にたどり着こうとしたのですが、一騎討ちに応じねば、部下に命じて船に矢を仕掛けるぞとまで言い放つ始末。 仕方なく敦盛は馬を降り、熊谷次郎直実と名乗るその敵将と対峙したのです。 一方、直実はたまたま見つけた敦盛の出で立ちが立派なものであるため有力武将であろうと推測し、その首を取れば恩賞が貰える。それで呼び止めたのです。 二人は一騎討ちを始めたのですが、百戦錬磨の熊谷直実はあっさりと敦盛をとらえました。いざ首を跳ねようと敦盛の顔を見ると、まだ若い。歳はいくつか尋ねると16歳だという。なんと自分の息子と同い年ではないか。 直実はためらいます。息子と同い年の子供の首を跳ねるには、あまりに忍びない。このまま逃してやれないだろうか。 そんな二人の様子をうかがっていた人々から声が上がります。直実と同行していた武将たちです。 「直実、何をしておるか。早くそやつの首を跳ねんか。さては裏切るつもりか。そうなれば矢を射かけてやろうぞ」 なんと先ほど直実が敦盛に浴びせた言葉が、そのまま直実に浴びせかけられたのです。因果の摂理を感じざるを得ません。 直実は慚愧の念に苛まれながらも、やむなく敦盛の首を跳ねました。後ろからは、おおぅと称賛の声が上がります。沖合いでは、一部始終を見ていた平家の兵士たちが船縁に膝を屈し、嘆き悲しみの涙する姿が見えます。 なんということか。名利に駈られて敦盛を呼び止めたばかりに、あたら若い命を奪うことになろうとは。 直実は激しい後悔の念に苛まれ、出家を決意、これ以降名を連生と改め僧侶として敦盛の菩提をとむらいながら生きていくことになりました。冒頭の幸若舞は、このときの直実の心境を唄ったものだったのです。 苛烈ドラスティックな信長が、果たして直実の心境を理解したかどうかは謎です。 しかし、池袋暴走老人の見苦しいニュースを見るたび、私は心情的に真逆な話として、この「敦盛」を思い出すのです。 さて。都市伝説を語ろう(第13回)の開催です。 いつも通り、聞き専門、プレゼン参加もオッケー。初参加も歓迎。 時間延長する場合が多いので、覗いて見ればまだやってるかもしれませんよ。 |
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