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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-06-15 22:39:03.0 2023-05-20 12:59:01.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作 『マージンの一番長い日』その1

今回は蒼天のソウラ、百人の突入部隊の中から、ボム・スペシャリストのマージンさんを主役に物語を書かせて頂きました。自キャラではないキャラクターを主役に据える為、随時、キャラ主様と相談の上、口調など物語に修正をかける可能性があります、ご了承くださいませ。時間設定的には、百人の突入部隊参加の前、如何にして、マージンさんが同じ店の常連であるダンの目に留まることになったのか、その辺りを描いていきます。それでは。

『マージンの一番長い日』

星も寝静まる深い夜、ドワチャッカ大陸に位置するカルサドラ火山の近く。地中深くから轟音と共に土塊を巻上げ、巨大な何かが飛び去って行った。
「ちっ、まさかあんなデカブツを逃がすたぁ、俺もヤキが回ったか?」
葉巻をくわえ直しながら、瓦礫の上でオーガの男は独り言ちる。引き金を持つ独特な形状をした両手杖、『百発百中の杖』を肩に担ぎ上げ、ズボンに着いた砂礫を払いながら立ち上がった魔法使いの名はダンと言った。“荒野の快男児”JBの一味として名を知られる彼だが、今日は単独で仕事を請け負っている。
「しかし、アイツ。俺の破城榴弾(キャッスル・ノッカー)を耐えきりやがった。…いや、あれは…」
偶然にもこのあたりで少し前に戦った、魔博士の用いた魔法文明時代の兵器ウルベアン・ドール。当時の超魔法科学で作られたその兵器には、魔力を吸収する障壁が備えられており、破壊するのに少々手を焼いた。ゆえに、先ほど逃がしてしまったソレを見つけた時、ダンは今手持ちの中で掛け値なしの最高火力をぶつけた筈だった。
(あれは吸収じゃねぇ。それだったら問題なくぶち抜けたはずだ。なら一体…?)
対応策は練らねばならないが、獲物の謎はすぐには解けそうにない。であれば、ダンにはまず、何を置いても行わなければならない事がある。
「すぐに手入れしてやるからな、マイハニー」
追跡の前に、無理をさせてしまった恋人のメンテナンスに入る為、ダンは雇い主も待つドルワーム王国へと足を向けたのだった。

~一か月後~

ヴァース大山林方面からヴェリナードへ渡る為の北の渡しへ、一台の幌馬車がゆっくりと進んでいく。
「そ~らに~、んんんん~、くろがねの~んん~♪、スーパーからくり~、マージン・ガーゼット~♪」
作業着にも似た工作員風の装束に身を包んだ男は、幌の上という不安定な所に足を組んで寝そべり、まだ未完成の歌を口ずさんでいた。
「父さん、何その変な歌」
歌は退屈を紛らわすにはもってこいだが、好みでなければ更なる苦痛でしかない。手綱を握る子供は、幌の上でくつろぐ父に苦情を告げた。
「何って、マージン・ガーZの歌さ。いつか、ウルベア魔神兵が手に入ったら、改造して名付けようと思ってる。そうだハクト、今年の父さんの誕生日プレゼントは、ウルベア魔神兵でよろしく」
「ふぅん。まあ、母さんに怒られないようにね」
実の無い会話はいつものことなのだろう。ハクトと呼ばれた少年は、さして興味も無さげに話を打ち切る。
「あ、見えてきたよ」
ハクトは視界に、大きな貝殻のような意匠を頂く、白亜の大都市ヴェリナードをとらえた。ディオーレ女王の治めるヴェリナード城下町は、洋上に位置する。普段は人を渡す為だけの小型艇で行き来するのだが、マージン達の幌馬車であれば6台は乗りそうな大型の船舶が、渡しに停泊していた。
今日は、ディオーレ女王の誕生日。実は本人は、自身の為にそんな無駄な事を、と望んでいないのだが、毎年メルー公やオーディス王子を中心に、女王を慕う街の有志が盛大なお祭りを開くのだ。女王も公費には一切手を付けないことを条件に、地域を活気づけるイベントの一つとして、根負けする形で認めたのだった。他の大陸からも多くの観光客が訪れるイベントの為、渡し船も一日限定で特別なものとなっているのだ。
これもひとえに、ディオーレ女王の人徳のなせる業。マージンも妻のティードには内緒だが、ディオーレ女王が身に宿す二つの超巨大な爆弾には一目置いていた。
「ほら父さん、そろそろ降りてきてよ」
「了解だ」
マージンは馬車から飛び降りると、ようやく父親らしく、渡し守とやり取りを交わす。

「いや~、清々しい風だなぁ」
幌馬車ごと乗り込んだハクトとマージン、そして女王の誕生日を祝う為に駆け付けた多くの人を乗せ、船は進む。眩しいほどに白く輝くヴェリナード城下町の巨壁が、ぐんぐんと近づく。
「良い一日になりそうだ。な、ハクト」
「父さんと母さんの合作の花火、今から楽しみだよ」
ひとときの団欒に、穏やかな笑みを浮かべる2人。これから待ち受ける最悪な一日を、二人はまだ、知る由もないのだった。
                                続く
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