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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-07-02 02:20:11.0 2023-06-26 22:44:21.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作 『ドルブレイブ・アッセンブル』その12

「止ぉまぁれぇぇぇぇぇぇっ!!!」
正しい使い方がどうとか、そんな事を言っている場合ではなかった。幸い、ワッサンボンの位置はシドーアームとフォステイルの間。ためらいなく、愛用の扇をすれ違いざまのシドーアームに突き立てるワッサンボン。ぎりぎり、辛うじて切断面のすぐそばの肉を捕え、三分の一ほどが深くめり込む。ワッサンボン愛用の逸品とはいえ、先日のジャンピングタイフーンでも傷を付けられなかった鱗を貫通することができたのは、ひとえに火事場の馬鹿力のなせる業。
「ぐっ、うううっ」
扇による傷口から噴き出した血がワッサンボンの肌を焼く。そもそも血を滴らせる断面も酷く近い。迸る魔瘴に意識を手放してしまいそうになるのを、必死に堪えた。しかしジリジリと勢いに押され、やがてその破片をシドーアームの肉奥深くへと留めたまま、ワッサンボンの扇は砕け散る。自由を得たシドーアーム。その赤い爪が陣を構成する『封印の玉葱布』に触れた瞬間と、フォステイルが演奏を終えるのは同時だった。
ぶわっとまさに溢れだすように、陣の内側に神々しい光の帯が幾重にも駆け巡り、シドーアームに一本、また一本と絡みつき、その自由を奪う。布が巻きつくたびにシドーアームからは絞り出されるように瘴気が吹き出すが、都度布の放つ光により瘴気は浄化され霧散し、その大きさはどんどんと小さくなっていった。
やがて、オーガの腕と言っても差支えがないほどにサイズも小ぶりに成り果てたシドーアームがころりと地面へ落ちる。さながらミイラの如く『封印の玉ねぎ布』に巻き取られ、ピクリとも動く気配はない。
「成功だ」
フォステイルが歩み寄り、すっかり小さくなったシドーアームを拾い上げた。
全身全霊で舞を終えたワッサンボンはもちろん、フォステイルもレオナルドも、ガルムも満身創痍。お互い深い傷は無い事を確認し合いつつ、疲労からどさりと座り込む。幸いな事に、非常に玉葱臭い、という事を除けば、『封印の玉葱布』の副産効果でワッサンボンが浴びてしまった瘴気や毒の悪影響は解消されているようだった。
「手強い相手だった。封印できたのは奇跡だね」
リュートを背に背負い直し、フォステイルが率直な感想を述べる。確かに、この帰結は奇跡的なものかもしれない。だがしかし。ルシナ村の二人の意見は、違っていた。
「果たしてそうかな?」
「今日はたまたまボク達のターンだった。でも、この広いアストルティアには、星の数ほど冒険者がいるんだ」
「そうそう。俺達以外にも、きっと果たせたはずだよ。今後、どんなに最悪な事が待っていようとも、何処でも、何時でも、きっと勇気ある者達が必ず奇跡を起こして解決する。そうして、この世界はずっと、続いていくんだ」
「はは、君たちは随分と楽観的なんだな。でも、素敵な意見だ。私もこの世界が、そのようにあることを願おう」
いつのまにやら、空には星が瞬き始めている。はるか昔、プクランド大陸の草原にて。一条の流れ星に、願いを託す3人であった。

500年後、ディオーレ女王の誕生日。暴れるフィズル・ガーZによる街の喧騒も聴こえないほどの、ヴェリナード城の深い深い地下に、淡々と少年の声が響く。
「ドルセリンチャージ。邪・装・展・開」
一瞬走る暗い閃光。その中心に立つそれは、確かにドルブレイブの戦士のように見えた。スライダークを模したヘルメットに、衣服や鎧とは趣が異なる、強化スーツの独特な質感。しかしそれは、闇をまとった様な紫色に染められ、腕と脚は竜のような荒々しい突起が幾重にも隆起している。そしてその手には、ヒーローに似つかわしくない大鎌が握られていた。
「やれ」
紫の影は杖を突いた老人に促されるまま、鎌を振るい、扉を切断する。ずしんと音をたてて崩れた扉の奥に現れる古めかしい箱を、再度鎌を振るい切断。中から現れた、すっかり黄ばんだ布の塊を老人は拾い上げる。あたりに漂うは、濃厚な玉葱の香り。
「くっくっくっ、500年の時を経て、再び我が手に…さて、道化が役割を果たしているうちに、次の目的を為すとしようか」
立ち去る2人。カツカツと杖を突く音が、不気味にヴェリナード城地下に響くのだった。
                                続く
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