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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-07-03 00:59:25.0 2023-06-27 23:38:35.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『ドルブレイブ・アッセンブル』その13

「ちょっ、事情を説明してください、ユナティ!」
ユナティに連れられていくマージンを見送ってから、ほんの半刻の後。突然執務室に乱入してきたユナティに腕を引かれながら、ヴェリナード城内をひた走るアスカの姿があった。アスカはいつも穏やかなユナティらしからぬ、ただならない様子に戸惑うばかりだ。
「あの変た…じゃなくて、マージンが何か閃いたらしい!魔法戦士団の権限では、ヴェリナード国民の戸籍情報を閲覧できない。アスカの権限を貸してほしいんだ!」
「ええっ!?それはちょっと私でもいくらなんでも…申請を通さないと…」
「急を要する!それなら共犯になってくれ!!」
「え~~~っ!?」
そんなことがもし発覚したら上司であるロスウィードに怒られる。いや、確実に感づかれるだろう。アスカの敬愛する、いつだって飄々とした昼行燈は、そういう所は異常に察しがいいのだ。しかしこれは友の頼み。無下にすることもできない。
一向に落ち着くことのない心の天秤を揺らしながら、ユナティについていくしかないアスカだった。

やがて辿り着いたヴェリナード城地下、機密書類保管庫。本来、担当という訳ではないのだが、知識の間の書籍を定期的に保管庫の中の書籍と入れ替える為、高確率でこの場にいる事から、すっかり管理人と化しているウェーブ髪のウェディ女性、ホミーネとマージンが押し問答をしているのが見える。
「あっ、ユナティさんにアスカさん。ちょうど良かった。ちょっと困っていまして」
「ああ、その件なのだが…」
マージンの助けに入ろうとしたユナティであった。が。

「だから、ちょっとだけ、ね?ほんのちょっとだけだから、さ。ね?ほらほら…見せてくれないかなぁ…」
手をワキワキとさせながら、ホミーネにじわじわにじり寄るマージン。彼の目的はわかっているのだが、何だろう。言いようのないやましさが溢れていた。
「処断する」
ユナティの顔に影が落ちる。
「お、落ち着いてユナティ。そうじゃないでしょう!?」
剣に伸びたユナティの手を握り、なだめるアスカ。
「あ、ああそうだった。ありがとうアスカ。ホミーネ、私からもお願いだ。そこの変態に、ヴェリナード国民の戸籍情報を閲覧させてやってほしい」
「変態って言った!?悲しいなぁオレ!」
ホミーネとアスカ、そしてユナティの3人は、ヴェリナードに働く同世代の女性として、たまの休日にはともにランチに出かけるほどの仲だった。涙を流して悲しむマージンを余所に、ユナティとアスカは交渉を続ける。
「彼の身元は、私が保証します。…一応、海底離宮侵攻作戦で、共に戦った仲間でして」
「一応じゃなくて、仲間でしょっ!?」
「うるさい、ちょっと黙っていろ穀潰し」
「罵詈雑言のレパートリーがいつの間にやら豊富すぎやしませんかっ!?」
もう無視だ無視。マージンの存在など無い物として、話を続けるユナティ。
「私が今調べている案件に関わってくる重要な事なんだ」
「う~ん…だけど…やっぱりそれは流石にちょっと…」
「そこを何とかお願いだ」
「う~ん…う~ん…」
押し問答を続ける3人。ユナティが後ろ手にマージンにサインを送る。それを見たマージンはやはりニヤリとあくどい笑みを浮かべると、抜き足差し足で回り込むように保管庫へと忍び寄る。
「そんなに時間はとらせないから。頼む、この通りだ」
何度となく頭を下げるユナティ。
「そこまでされると、私としても…でも…」
「やっぱりだっ!」
説得にホミーネが折れかけた瞬間、いつのまにやら扉が半開きになっている保管庫からマージンの声が響く。
「えっ!?…あっ、ちょっと!!」
慌てて保管庫の中へ入るホミーネに、ユナティとアスカも続く。
「困りますっ!」
「お姉さん、すぐすむから。…ユナティさん、これを見てくれ」
分厚いヴェリナード国民の戸籍情報の束の中から、ある項目を指し示すマージン。
「これは…婚姻届、か?」
確信を得たマージンと対照的に、未ださっぱり事情が掴めず、顔を見合わせるアスカとユナティ。
「そうだ。ただし、異種族間の、な」
「!」
「そして、攫われた子供たちは皆…」
「異種族間の夫婦に生まれた子供!そうか、今までなぜ気付かなかったんだ!」
捜査の進展に、ほんの少し明るい表情を浮かべるユナティ。一方マージンは、あまりにも自分と重なる被害者家族の境遇に、犯人への怒りからギリッと奥歯を噛みしめるのだった。
                                続く
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