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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-07-12 01:20:30.0 2023-07-01 20:00:33.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作 『ドルブレイブ・アッセンブル』その19

各地に点在するドルブレイブの秘密基地。それらは建設される地域に合わせて設備の異なる施設であるが、共通して、全く同じ造りのとある部屋が存在する。その部屋は半円状の形状をしており、そのアーチの部分には、ニコロイ王、バグド王、グロスナー王、ナブレット団長にラグアス王子と、各地を統べる名立たる明主の肖像画がみっちりと飾られていた。そのうちの一つ。ディオーレ女王の肖像画の瞳が、ブザー音とともにチカチカと赤く明滅している。
この部屋は、超駆動戦隊ドルブレイブに対しての緊急要請システム、その受信端末となっている。本来独自の情報収集により活動を行うドルブレイブであるが、己で拾い切れない助けを呼ぶ声に応えるため、ドルブレイブ本部への直通ダイヤルが各大陸の主要都市には密かに配備されているのだ。
しかし今日に至るまで、そのスイッチが押されたことは、一度しかなかった。大国のメンツ、また、ヴェリナードのように国属の軍隊の他に魔法戦士団を配備するなど、その体勢の拡充状況により、ついぞ活用される機会に恵まれることは無かったのだ。海底離宮攻略作戦の折を除いては。

「はいはいはいはい、今とりますよっ、と」
ガチャリとノブを捻りその部屋に入ってきたのは、小脇にスライダークを模したメットを抱えたネコギシ。彼は今、プクランド大陸はチョッピ荒野の外れに位置する秘密基地の一つを訪れている。現在この基地にいるのはネコギシただ一人。信号は全ての基地に送られているはずだが、今はリーダー不在の特別シフト中、他のメンバーも任務真っ只中か、他の緊急通信中か。とにかく、大国からの要請は見逃せない。もしかすると、できれば避けたいが、セ~クスィ~にも連絡を取る必要があるかもしれない。
「こちらドルブレイブ基地、ダイダイックブレイブ」
少しの嫌な予感とともに受話ボタンを押したネコギシの耳に飛び込んできたのは、懐かしい声だった。
「あ、もしもし?オレ、オレだよオレ。お久しぶり!」
確かにその声に聴き覚えはあるのだが、頭に浮かぶはゴーグルをつけた爆弾岩という、見覚えのない転生モンスターの姿ばかり。
「番号をお確かめの上、おかけ直し下さい」
ポチリと通信をカットしようとするネコギシ。
「ちょっ、ちょっと待って。マージンだよマージン!海底離宮でご一緒した、マージン!!」
「ああ。やはりあの」
予想は当たっていたのだが、やはり彼のちゃんとした姿を思い出せないネコギシ。脳内でグルグルと爆弾岩が転がり続ける。
「わかって切ろうとした?ねぇ、それどうなの!?」
「で、ご用件は?この通信はヴェリナードに設置した秘匿回線のはずだけど…」
「そうそう、今勝手に使わせてもらってるんだよね。何せ緊急事態だから。部屋の場所を聞き出すのに苦労したよ」
耳をすましてみると、何やら騒がしい様子がマイク越しにうかがえる。ドンドンと扉を叩く音に混じって聴こえてくるのは、二人の女性による罵声のようだ。
「…の爆弾馬鹿!勝…にこんな…」
「早くあ…………処し………」
どうにも穏やかな様子ではないのだが、ネコギシはとりあえず気にしないことにした。これまさしく対岸の火事である。
「まどろっこしいのは苦手だから、単刀直入に。おたく、ムラサキックブレイブ的な、新メンバー、加入したりした?」
緊張感の無さとは裏腹に、マージンの口から語られたのは、ネコギシにとってけして捨て置けない話だった。
「…何処でその話を?」
「ついさっき、子供を誘拐しようとした犯人と、ヴェリナードで戦ったんだよ。あれは確かに、魔装の手応えだった。何か知っているか?」
「ちょっと待て!ついさっきって言ったか?つい、さっき?」
紫の戦士のことではなく、『時間』について食い下がるネコギシ。
「ん?そうそう、ついさっき。ていってもまあ、2時間くらい前ってとこかな」
「そんな馬鹿な…」
呆然と呟き、話の間もずっと抱えていたスライダークメットに視線を落とすネコギシ。鮮やかな橙色、ではなく、闇に近い紫に染められたそれは、メット部分だけでなくその中身も内包しており、ダイダイックブレイブのブーメラン型魔装具による鮮やかな首の切断面からは、パチパチと新鮮な火花が、今だに散っている。その首は、ちょうど“2時間前”に、ダイダイックブレイブが仕留めた獲物の物だった。
                                続く
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