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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-07-30 00:54:54.0 2023-05-22 09:57:20.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作 『トラシュカの夏、緊張の夏』その3

「そろそろ日が暮れるねー」
「今日は収穫なし、か」
異常が起こらないか気を配りつつも、荒野のサボテンをつついてみたり、ばくだんいわに頬擦りしてみたり、お手製のガジェットを整備してみたり。
各々がのんびりと時間を潰し、なんとはなしに長丁場を覚悟したその時だった。一陣の風と共に、全く見覚えのないモンスターが現れる。

「おお!?」
「なになに?何なのアイツ、見た事ない!」
その背丈は3人の中で最も小柄なきみどりと比較しても、その半分ほどしかない。
顔立ちはランプの魔人に似ているかもしれないが、一切の衣服を身にまとわず、ふくよかなランプの魔人と異なるヒョロヒョロの青白い体と手足、そんな全裸のみずぼらしい体を覆い隠すのは、白く渦巻く竜巻の風。
それはアストルティアせましと活躍を続ける3人をもってしても、未だ見た事の無いモンスターだった。

「マージン、もしかしてコイツが!」
「ああ、可能性は高い、新種のモンスターなのか?」
「ええー、で、どうするの?どうするの?」
浮足立つ3人だったのだが、すぐに異常な事態に表情を曇らせる。
「ちょっと待てマージン。こいつどんどん…でかくなってないか?」
さっきまではきみどりの半分しかなかった筈が、今気づけばフツキの背丈も越え、マージンにも並ぼうとしている。

「え~と…つまりは、オレの仮説が正しかったとすると?」
「今いるこの岩山が、竜巻の目のサイズってことで?」
「つまりはそこまで大きくなるの?」
3人が狼狽する間にもどんどんモンスターは大きくなり、既に自分たちは竜巻の真っただ中。
迂闊に飛び出そうものなら、バギムーチョに包まれてばくだんいわと社交ダンスする羽目になる。
思いもよらない緊急事態だ。

「おおっ、ばくだんいわが巻き上げられている!」
猛烈な勢いの風の中に、ちらほらと混じる鈍色のシルエット。
「喜んでる場合かっ、これ、まずいっ!」
岩陰においても会話に支障をきたすほど風の勢いは増してきている。
さらには、あちこちでぶつかっているのだろう、断続的にばくだんいわがはじける音が響く。

「跳ね返りでもしてこっち飛んできたらおしまいだねー」
「呑気だなきみどりちゃん!?とりあえず、やるだけやってみるか。コード4,5改!」
フツキの発するシグナルに反応してポシェットからアンカーが宙へうち出される。
過去、マージンを窮地から救ったこともあるアンカーボルト。
だが今回は、少々改良が加えられていた。
うち出された天頂で、反射板の様に傘が広がる。

「拡散ガジェットβ、マホトーンエクステンド!」
竜巻の芯にいる事が幸いし、風の影響を受けつつも、体を持っていかれてしまう程ではない。
アンカーの先の傘の揺れ具合を目測で計算し、狙い澄ませた魔法がヒットした。そのままフツキのマホトーンは、特製ガジェットの効果に手助けされ、本来単体魔法でありながら、広く竜巻全体へ拡散していく。
「とりあえずは、これで良しかな」
マホトーンの効果で、メガンテを封じられたばくだんいわたちは竜巻の中でぶつかりこそするものの、自爆は抑え込むことができているようだ。

「さすがはフッキーさんだぜ!」
「そうは言っても、時間稼ぎだぞ。爆発されないまでも、遠心力で加速したばくだんいわが突っ込んで来たら、流れ星にあたるのと変わらないんだからな」
「大丈夫大丈夫、あとはオレときみどりちゃんでなんとかするから。ね?」
懐からギガボンバーを取り出すマージン。
「そうそう、あとは任せてちょうだいなーっと」
きみどりもまた、腰に手を回すと、しつらえた爆薬庫から様々なお手製花火が格納された帯を引き延ばす。
「マージン、お前に他の選択肢は無いのは知ってるが、ホントに爆弾で何とかなるのか?」
「昔、本で読んだ事があるんだ。サメバーンを大量に含んだ竜巻を、爆弾と鋸で何とかした漢の話を」
「…ちょっと待てそれって」
娯楽作品、しかも、キングオブB級と呼ばれる創作のお話のことでは?
一気に不安のボルテージが高まるフツキを余所に、マージンときみどりは竜巻の中で並び立つのだった。
                                続く
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