「いつでもいいよー、マージンさん」
「おっし、それじゃあいくぜっ、ゴッド・ボンバー・ジャグリングッ!」
懐から取り出したギガボンバーを次々と放り投げていくマージン。
「忍法!ねずみ花火流星群!それそれそれーっ!!」竜巻の中に放り投げられるマージンのギガボンバーを、的確にきみどりのねずみ花火が拾い上げ、竜巻の流れに沿って上空へと運んでいく。
「普通の竜巻だったら、ギガボンバー程度じゃどうにもならないだろう。だけどな、モンスターが起こしてるなら話は別だ」
「んーっ、いい風!どこまでも花火が飛ばせそうだよっ!」
次々天へと舞い上がるマージンのギガボンバーときみどりのねずみ花火。その軌跡の果てに潜む魔物へ目掛け、火線が集中した。
「さぁさ、皆さんご一緒に!」
そろそろ頃合いとばかりに、きみどりが音頭をとる。
「「「た~まや~!!!」」」
太陽が二つに増えたかのような爆発とともに、嘘のように竜巻がはれる。その様子をまさに晴れやかな気持ちで眺めていた3人だったのだが…。
「おおおおおおおおお!これがヴァルハラかっ!!」「ウソだろっ!おいっ!」
「これまずいよ、ほんとにまずい!」
一人は悲鳴ではなく歓喜の声をあげていたのだが、とにもかくにも慌てて走り出す3人。それを追いかけるように、風の支えを失い、空から大量のばくだん岩が降り注ぐのだった。
後日、ジュレットの波止場にて。
お揃いのホイミスライムを象った浮き輪を身に付けた、マージン、フツキ、きみどりの姿がそこにはあった。
「ばくだん岩の供給を絶ったわけだから、予想が正しければ、トラシュカではもうお宝しか降ってこないわけだ」
冷静に分析するフツキ。
「…残念ながら、そういうことになるな」
心底悲しそうに口を尖らせるマージン。
「それってウハウハじゃない?」
ニッコ二コの表情を浮かべるきみどり。
彼らのトラシュカへの航海がどのような結末を迎えたかは、荒波だけが知っている。
~完~