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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2021-11-07 00:49:28.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作 『幻列車の浪漫』その16

一方、セイロンとの通信も途絶え、幽霊列車の探索を開始したマージンとマユミ。

「ふぅ。来ちゃったもんはしょうがないからな。ただしあんまり離れないでくれよ?」
「そもそもさ。私、一体どういう状況に巻き込まれている訳?ここってその…とても危うい場所よね?」
勝手に首を突っ込んだ形のマユミにとって、初めての状況確認であった。

きょろきょろと辺りを見回し、感じた違和感をマージンにぶつける。
危険な場所、ではなく危うい場所。
言葉に含まれるニュアンスはマージンにもしっかり伝わる。

「お、やっぱそういうの分かるの?」
「そりゃまあ、ね。次期妖精女王様をなめてもらっちゃ困るわ」
えっへんと胸を張り嘯くマユミ。
「…まあ、言うだけはタダだしな」
「何か言った!?」
「何でもございません女王様」
マージンは甲斐甲斐しい従者の如く深々と、しかしわざとらしい一礼を添える。

「ついつい忘れそうになるけれど、妖精なんだよなぁ」
海底離宮攻略の折、『妖精をつれた女戦士』、その二つ名の通りに、切り込み隊長たる冒険者かいりのまわりを飛んでいた二人の妖精のうちの一人がマユミだった。
「まあ、私とぱにゃにゃんは特別だからねぇ」
「特別?」
「他の妖精って、見た事ないでしょ?」
「ホイホイ見つかっちゃ、ありがたみがないから隠れてるのかと思ってたけど、違うの?」
「…羽虫か何かと同じ扱いをしていることは、よ~~~く分かったわ」

マユミはその小さな体に膨大な魔力を秘めている。
それゆえ、本来であれば、純粋な心を持つ者、並外れた感知能力を持つ者など、ごくごく限られた人物にしか見えないはずの妖精ながら、その姿はハッキリと誰の目にも捉える事が出来ているのだ。

そのなけなしの魔力を用いて、このアストルティアにおいてはマユミのみが使用できる特殊な魔法、世界召喚にてマージンを焼き尽くしてしまおうかとすら思ったマユミだが、すんでで思いとどまった。
そんな大人げない行動は、未来の妖精女王にはふさわしくない。

「…季節を運び、魂の輪廻を導き、世界をまわす。それが5種族ならざる私達妖精の役割。世界の根幹を担うゆえに、普通の妖精はあなた達には見えないのよ。細かくは省くけど、誰の目にも見える私とぱにゃにゃんは特別な妖精ってわけ」
「むむむ…」
唸るような声をあげて、眉間にしわを寄せたマージンの頭が傾き、そのまま体も傾いていく。

比較的シンプルに言葉を選びマユミは話してくれているのだが、それと話の中身が理解できるかどうかとは、まったく別の問題だ。
「…知恵熱で煙出てるわよ。今のは余談だから、理解しなくてもいいわ。ただ、これだけは絶対に忘れないで。この世界では、意識を手放さない事。気絶はもちろん、眠るのも絶対にダメ。まあ、そもそも眠くなったりはしないはずだから、そこは安心して」

ダメと言われると気になってしまうのがヒトのサガである。

「ちなみによ?仮に、仮にだけどさ。眠っちゃったらどうなるの?」
「さっきの話の通り、私はそもそもこの世界の住民みたいなもんだから、元の体のままここに来てる。だから特に問題はない。だけどあなたは、ここへ入る為に魂を肉体と分離している。いわば、死んでいるも同然。もし、意識を手放したらもう、どろどろよ」
「どろどろ、っすか」
肝心な所で抽象的というか、説明もとろけているというか。
「『マージン』として、もとのアストルティアに戻りたいなら、とにかく私の忠告は忘れない事ね」

とにかくなんだかとてもヤバい、ということだけは辛うじて理解したマージンであった。
                                続く
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