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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-01-09 10:49:15.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作「イカを求めて三千里」その9

まるでアカックブレイブの戦闘準備が整うのを待っていたが如く、オセアーノンがその全容を海上に現した。

以前レヴィヤルデを襲撃した個体に比べれば小ぶりなれど、パーティーの中では1番大柄なクマヤンの身の丈の3倍はあろうかという巨躯。
そしてその眉間にはマージンによるソナーの見立て通り、深々と3の刻印された狩猟具が突き刺さっている。

「…っ!皆伏せて!」
思わず面々が圧倒される最中、カツンと僅かにオセアーノンが口内の嘴を噛み合わせる音を聞き取ったきみどりが叫ぶ。

間一髪甲板に倒れ込んだ一同の頭上をめがけ、火打石代わりの嘴から発した火花で、オセアーノン特有の油分を多く含んだイカスミを燃焼させた事による豪炎が迸る。

僅かに避けそびれたロマンの襟足の毛をチリリと焦がし、磯臭さを振り撒きながら灼熱の塊が通り過ぎた。
「あ~つッ、あツッ、あっぶねぇ!サンキュ、きみどりちゃん」
パタパタとうなじを叩いて消火しつつロマンは立ち上がる。

分厚い装甲に護られた潜水艦ではあるまいし、今のような火炎を浴びたら肉身など骨までこんがり焼き上がってしまう。
しかし、オセアーノンとて連発はきかない大技のハズ。

チャンスは今しかない。

いち早く船を飛び出していたアカックブレイブが先の要領で海面を進み、巨腕を振るうが、クロスした触腕に受け止められ、本体まで届かない。

「そ~れ、飛んでけっ!ねずみ花火!!」
きみどりは甲板上を飛びまわりながら、フリンジのように両腕目一杯垂れ下がった、装束の何処に収納していたのかわからない大量のねずみ花火を矢継ぎ早に放つ。

すかさず対応し無数の触腕で次々と叩き落としていくオセアーノンだが、ひたすら物量で押す攻撃に、一発、二発とすり抜けたねずみ花火がオセアーノンの顔面に直撃する。

その際のオセアーノンの怯みがマージンにさらなる不幸をもたらす。
思わず目を閉じ出鱈目に振り回した触腕の一つが飛来するねずみ花火を絶妙に弾き、軌道が反れた一発は何とマージンに直撃してしまったのだ。

「おっふぅ!!」
黒煙の中から顔を覗かせたマージンはすっかりアフロに成り果ててしまったが、爆発の衝撃で触腕が緩み解放され、海に落下した所をすかさずきみどりが鎖鎌を器用に使い船へと引き上げる。

「ごめんごめん。ま、結果オーライ、だよね?」
「はい生きてます、かろうじて…」
モクモクと口から頭から黒煙を立ち昇らせつつ、何とか言葉を紡いだマージンであった。

「しっかし深々突き刺さってるなぁ。それでも駄目か…」
引き続きアカックブレイブときみどりがオセアーノンを牽制し続ける最中、アフロマージンとロマンは打倒の糸口を探ろうと敵の様子をつぶさに観察していた。
あまりにも理想的すぎる刺さった位置から察するに、狩猟具内部に仕込んだ音響爆雷は、まさしくオセアーノンの脳みそをしかとシェイクしたはずである。
しかしオセアーノンは健在。

「墨袋に着火爆発させてしまうのが1番手っ取り早いんだが、それじゃ本末転倒だしな」
食材として確保に来ている以上、獲物が木端微塵は論外である。

海面や触腕を足場代わりにしたアカックブレイブの巧妙な立ち回りと、大味な大放出からピンポイントな狙撃でアカックブレイブを援護する形に切り替えたきみどりの花火攻撃のコンビネーションにより、大規模火炎放射攻撃を繰り出す隙を与えないようしのいでいるが、アカックブレイブの体力にもきみどりの花火の弾数にも勿論限界がある。

「一撃必殺の大火力…そうか、アレなら!きみどりちゃん、へび花火は持ってるか!?」
「よっ、ほっ、えっと、持ってるけど、ど~すんの?あれ、反動強すぎるからタカの無尽縛鎖で雁字搦めにしないとさ、よっ、と~」
マージンに答えながらも、きみどりは器用にオセアーノンの触腕の攻撃をかわしながら攻撃の手を緩めない。

「それは大棟梁が何とかする!多分!!だから貸してくれ!」
「ど~なっても知らないよ~?ほいさっ」
きみどりは、どうなっても知らない、と言いつつも随分と軽いノリで、懐から取り出した縦笛ほどの小さな棒状の花火をマージンへ放ってよこす。

「おいおい、随分と楽しそうな話じゃないかマージン」
了承も無くふっかけられた難題であったが、不敵に笑う大棟梁。
「そう言ってくれると思ったぜ大棟梁!」
「レイダメテス尖塔兵を押し留める縛鎖と同等の反動制御ダンパーねぇ…」
脳みそをフル回転し、要求を満たす仕様を考え、想像内でめまぐるしくトライアンドエラーを繰り返した。
「マージン、ロマン、もってあと5分だぞ!」
「俺が上客をそんなに待たせるかよ。3分だ!3分、全力で稼いでくれ!」
アカックブレイブに告げるなり既に鍛冶道具に向き直り、凄まじい速度でハンマーを振るうロマンであった。
        続く
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