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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-01-15 23:32:45.0 2022-01-15 23:42:57.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『逃亡者マージン』その7

「正直、お前が犯人ということで良いんじゃないかと思ってるが、まあ真面目に調査を…って、おい、マージン?聞いてるか?」
マージンからのドラキーメールを着拒しているティードに代わり、弁護人兼事件の調査役として、白羽の矢を根深く打ち込んだのは、たまたまアズランで事態に巻き込まれていたフツキだった。

しかし呼びつけておきながら、マージンは背を向けたままリアクションがない。
いつもであれば、すぐにでもパアッと笑顔を向けそうなものである。

「おい、マージン?どうした?変なもんでも食べたか?」
繰り返しマージンに声をかけるフツキだが、引き続きマージンはピクリとも動かない。
「面会は5分の決まりだ。時間を無駄にしても良いのか?」
見かねたウヅキが声をかけてようやく、マージンが振り返る。

「おお、フツキじゃないか!よく来てくれた!」
「あ、ああ?」
いつもの胡散臭い笑顔の筈だが、そこに宿る違和感を不審に思うフツキ。
「…で、来てもらっておいて、悪いな、フツキ。ちょっとオレ、出かけるわ」
「は!?」

マージンの言葉に被せ気味で響いた轟音とともに、牢屋の壁が吹き飛んだ。
牢獄はアズランの西方にそびえる山脈をくり抜いて作られている。
壁が爆発で取り払われた事により、落葉の草原上空を吹き抜ける強風がフツキ達に叩きつけられた。

「じゃ、そういう事で」
マージンは遥か眼下の落葉の草原へ向い、躊躇いもなく飛び降りた。

「なっ!?どれほどの高さがあると思ってる!?」
慌てて鍵を開け、壁に開いた大穴へ駆け寄るウヅキ。
地に大輪の血の花を咲かせているであろうと、最悪の結末を想像し覗き込んだ先で、マージンは空を飛んでいた。

厳密には、落下しつつも、散発的に起こる爆発の度、その体が浮き上がり、落下の速度を和らげている。
やがてマージンは苦も無く草原へと降り立った。

「追えっ!逃せばアズランの恥だぞ!絶対に捕まえろ!!」
慌ててウヅキが看守に指示を飛ばすが、既にマージンとの間は余りにも隔たれている。

「お前に恨みは無…いや、困った事にあるな…まあとにかくっ!このまま逃がすわけにはいかん」
慌てふためくアズランの面々を尻目に、フツキもマージンの後を追い、ウヅキが止める間もなく牢屋から飛び降りた。

「コード4、5!アンカー射出!」
フツキの音声コードに反応して、腰部左右からワイヤーアンカーが飛び出し、壁面に突き刺さる。

火花を散らす勢いで伸び続けるワイヤーアンカーを支えに、フツキもまたマージンに続いて落葉の草原へ降り立った。

「…さすがにおいたが過ぎるぞ、マージン!両脚接続・イオラ!」
もはや米粒のように遠ざかったマージンの背中を見据え、フツキはスーツに仕込んだ魔術回路を通し、脚部にイオラの爆発力を宿す。

「そうそう、追ってくるよな。その装備、やっぱり凄いわ。さすがフッキー。でもスマン、ちょっと今回ばっかりは譲れんのよ」
フツキは完全にマージンの虚をついたつもりだった。
「なっ…に!?」
しかし、スーツ脚部に込めたイオラの爆発力でもってフツキが刹那で移動した先で、マージンがくるりと振り返り、半歩踏み込んでいた。

転移の如き、目にも止まらぬ高速移動を逆手に取って、腰溜めにしっかりと待ち構えたマージンの右拳が、深々とフツキの鳩尾に突き刺さる。

「悪いな、フツキ。まあ、ヴェリナードのペンフレンドと仲良くコーヒーでも飲んでてくれ。野暮用済ませたら、また顔出すからさ」
人体急所を的確に捉えられ、蹲るフツキを残し、マージンはまた一つ爆弾を起爆する。

たちまち草原を埋め尽くす勢いで拡がる黒煙、マージンはその煙幕の向こうへ姿を消す。
その背を、苦々しい思いでウヅキは見つめるしかない。
「ニャニャッ!ウヅキ姉さん、それ以上のりだしたら落ちちゃうニャ!」
「絶対に逃がさないっ!どんな手を使っても必ず捕まえてやるわ。マーーージーン!!!」
ウヅキの絶叫が、落葉の草原に響き渡るのであった。
                                続く
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