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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-02-17 21:23:47.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『逃亡者マージン』その16

両サイドから一枚の依頼書を千切れんばかりに握りしめる2人。
「おい。手離せ」
「…見ない顔だ。ここのルールを知らないようだから優しく教えてやるよ坊や。この町の一番高額の手配書は、あたしのもんだと決まっているんだよ」
「ほう。わざわざ親切にご高説ありがとよ。…で、この依頼書の一体何処に、ガキの荷物みてぇにお前の名前が書いてあるって言うんだ?あん?」
遠慮なく剣呑な雰囲気を垂れ流す2人の会話も、酒場に集うあらくれ共にとっては酒のつまみでしかない。
「お、なんだ喧嘩か?」
「いいねいいね!やっちまえ!!」
「喧嘩してんのは誰と誰だ?どっちが勝つか賭けようぜ!」
好き勝手に盛り上がる酔いどれ達の様子を、酒場のマスターも眉一つ動かさず放置し、無言でグラスを磨いている。

貴婦人が耳にしたら卒倒しそうな罵詈雑言の応酬をBGMに、酒場の営業はつつがなく続いていく。
不毛な争いが、飽きっぽい酔っ払い達にいよいよ放置されようかというほど続いた時、潮目が変わった。
「…知、る、か!あたしが先に目を付けたんだ。アンタが手を引きな。おとなしくいうこと聞かねぇと…」
女は後ろ手に腰に手を伸ばし、皮紐で括り付けていた青い表紙の、背をスパイラルリングで綴じられたスケッチブックを抜き放った。

「あん?本?」
てっきり短剣でも出てくるものだと思った所だ、女が取り出したものを見て訝しむ男。
本で何ができるというのか。
しかし、女が取り出した得物を見て、それまで我関せずと無視を決め込んでいた酒場のマスターが何故か慌てて制止に入る。

「やめろジュエ!!お前に暴れられたらオレのチンケな酒場なんて簡単に吹っ飛んじまう!…あんたもあんただ、諦めな。相手が悪い」
男にはまったくピンとこないが、マスターの慌てっぷりから察するに、目の前の女、ジュエが手にしている紙束は相当にヤバい代物らしい。
お目にかかった事はないが、世の中には占い道具のカードを武器にする職業もあると聞く。
身に迫る危険を前に、しかし男が思ったことは、面白いということだけだった。
モンスター然り、喧嘩然り、相手に意外性が無いと、倒してもつまらない。

「いい機会だ、前からこの酒場は埃が酷くて気にくわなかったんだよ。風穴開けてスッキリさせてやる」
ジュエはスケッチブックを手に載せ、顔の高さまで掲げると、ひとりでにページは開かれた。
「その紙束で何する気か知らねぇが、俺のナイフがその貧相な首を撫でる方が早い」
男は獲物を前に舌なめずりをするような、下品でぎらついた目線で応酬し、戦況に応じ使い分けるため太腿にマウントした数あるナイフのうち、よりインファイトに適した大振りの刀身を持つククリナイフの柄を握る。
やいのやいの騒いでいた客達がすっかり逃げ出すほどに、酒場には殺気が充満し、渦中の二人は一向に武器を収めようという気配はない。

「はぁ、仕方ねぇ…。もとよりその依頼は、多人数向けだ。二人で行きな」
マスターとしては最良の折衷案を提示したつもりだったのだが、当然それを受け入れる2人ではない。
「冗談だろ。一人で楽勝だっての」
「あら、初めて気が合った所で、坊やは犬っころみたいに留守番してな」
「てめぇ!」
ついには刃が動き、応じてジュエがスケッチブックのページを破り取ろうと動いた瞬間、マスターは手近な安酒の瓶を引っ掴み、打痕だらけのカウンターに勢いよく叩き付ける。
プクリポゆえのリーチの短さを補う為に、跳躍を付けて思い切り振り降ろされたウィスキーの瓶は無残に砕け散り、同時にチープなアルコールの香りが辺りに充満した。

「いい加減にしねぇか!!依頼主からの報酬を握ってんのは俺だぞ!」
ガラスの砕け散る派手な音もさることながら、目当てのゴールドの話を持ち出されれば、さしもの二人も本当に本当に渋々ながら従う他ない。
「ちっ」
「くっ」
「しょうがねぇ、こうしよう。その依頼は討伐だ。対象のモンスターの首を先に持ち帰ってきた方に、報酬をやる。その条件でど…」
マスターが最後まで言い切る前に、乱暴な靴音を響かせて二人は姿を消していた。
「…はぁ。何だかんだ、息ぴったりでやんの」
客も消え、二人も消え、すっかり空っ風の吹きすさぶ店内で、マスターは肩を落し、自分がまき散らしたガラス瓶の破片を拾い始めるのだった。
                                続く
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