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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-03-14 18:47:54.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『君に近付く日』その10(完)

「…ウィンちゃん、ごめん」
入念にコアを確認した結果、ミサークもゴレムスの抱える問題に正しく辿り着いた。
しかしそれは、残念ながら、今に残される技術では、どうしようもないという解答もセットだった。
「いや、気にしないで。ホントに、ミサークはよくやってくれたよ。ありがとう」
「ゴレムスの、身体を作り出すシステムに問題があるみたいなんだ。ごまからの手紙でも見たけど、集積場に残されたゴレムスの体は、ほとんど砂になっちゃったんだろ?ゴレムスが作り出したブロックさえあればな…」
砂と化してしまった自らの体、ないしは、周りの構造物、それらを分解再構築してブロックを作り出す。
今のゴレムスにはその機能が失われてしまった故に、もとの体を取り戻すことができないでいる。

「そうか…。少なくとも、ゴレムスは生きてるんだね。それがわかっただけでも、充分だよ」
その言葉に嘘はなく、ウィンクルムは満足した笑みを浮かべ、愛おしそうにゴレムスのコアを撫でる。
その様子に、ミサークの心は強く痛んだ。

ミサークの説明をウィンクルムと共に余すところなく耳にし、ごましおはミサークとウィンクルムとは対照的に、ニパッとほほ笑む。
そして、何故か悲しむ二人を不思議そうに眺め、ごましおはミサークの袖を引いた。
「ん?なんだよごま。ちょっと俺今、珍しく凹んでんだけど」
「ねぇねぇ、アレは?」
「はぁ?アレって…アレ…アレっ!!」
ミサークの雄叫びが、チームアジトいっぱいに響き渡った。

「…ゴ?」
何だか靄がかかったように視界がはっきりしない。
こんな光景は…そうだ、確か、ウィンクルムと初めて出会った時、久々に起動を果たしたあの時と同じだ。
一体何が起きたのか?

「ゴレムス…?」
恐る恐る尋ねるようなウィンクルムの声に、今までのように視線を下げると、何故だか地面が妙に近い。
「ゴ…?」
(解。構成するブロックの数量不足で、本機のサイズに大幅な影響が出ている)
戸惑うゴレムスの頭脳内にメインシステムの声が響いた。
(現在の当機のサイズは、本来の60パーセントである)

「ゴ!?」
ゴレムスは無慈悲に告げられた自らの体の状況に、強いショックを受ける。
大きくなければ、強くなければ、ウィンクルムは笑顔を向けてくれないのではないか。
小さくなってしまった自分に、存在価値など…。

「ゴレムス!良かった!!ホントに良かった!!!」
そんなゴレムスの不安を、チャージタックルの如く勢い良く抱き着いたウィンクルムが弾き飛ばす。

「ごま、気付かせてくれてサンキュな!つくづく石窯作ってて良かったぜ」
ゴレムスを再構築させる為には、ゴレムス自身が作り出したブロックが必要だった。
しかしゴレムスはその機能を失っている。
それ故に、八方塞がりだと絶望した矢先、ごましおが指差したのは、あの出店のために作った石窯だった。

分割してチームアジトに運び込まれていた石窯の中にそっとコアを置いてみたところ、眩い光とともに石窯はたちまちゴレムスの体を成したのだ。
ただし、石窯ともとのゴーレムの体とではブロックの数が合わず、ゴレムスはかなり小さくなってしまった。

しかし、満面の笑顔と、温かい涙に満ちた再開の様子に、そんな小さな話は関係ない。

「「「おかえりっ!ゴレムス!!」」」
「ゴ!!!」
大きな身体は誇りだった。
でも今は、ちょっと屈めば、大好きなウィンクルムの手がこの頭に届く、小さな身体も悪くない。
泣き笑いながらしがみつき、離れないウィンクルムの頭を、逆に撫で返しながら、チーズとトマトとハムの匂いの染み付いた、新しい身体に満足の笑みを浮かべるゴレムスであった。
                              ~完~
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