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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-04-22 18:46:49.0 2022-04-22 20:52:18.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作「逃亡者マージン」その33

やがて二人のテーブルへ、未だ湯気を孕むコーヒーが運ばれてくる。 コーヒーチェリーの状態でレンドアへ運び入れ、中央棟の屋上にて天日干しを行い加工された豆は、レンドアを流れるさわやかな潮風を身に纏い、ごくごくわずかな塩味をもたらす。 

「先の約束通り、君にだけは私の知りうる全てを話そう。…敵の狙いはまず間違いなく、ボスの遺産だ」
「サンドストームの…遺産…」
それは遥か昔、フィズルが亡きボスに託され、ずっと誰にも語らず秘めてきた秘密。 
それを打ち明けるにあたり、未だ内心言うべきか言わざるべきか迷う気持ちを押し流すように、フィズルはコーヒーを二口あおった。  

「ボスの遺産は2つある。まず一つはスケッチブック」
「スケッチブック…?宝の地図でも書かれているのですか?」
「…いや、私も話に聞いた限りなのだがね、何でも、正しい手順を踏めば、描いたものを実体化できる、らしい」
「はぁ…?」
あまりにも荒唐無稽な話に、冷静を保つ為にフツキもコーヒーを口に運んだ。
濃い目のブラック、その深い渋みの中から顔を出すピリリとした刺激にも近い酸味が、今の状況には心地よい。

「スケッチブックは長らく行方不明であったが、少し前に地下オークションに出品され、今はマージンの工房の金庫の中にある」
いつだったか、面会に来たマージンを通して、彼のマイタウンのコンシェルジュ、フライナがもたらしたスケッチブックによる騒動を聞かされた時は、ティード画伯の絵心に笑う裏で、数奇な偶然に舌を巻いたものだ。

「あの金庫ですか…。なら、安心ですね」
「あの暗号メッセージを見るに、マージン経由でそれを入手する為に、あいつは嵌められたんだろう」
フツキは、マージンのマイタウン、その制作総指揮にあたった魔法建築工房『OZ』の大棟梁ロマンの依頼のもと、件の金庫の強度試験にあたっていた。
マージンの爆弾によりマイタウン全土が焦土と化したとしても無傷で残るとのロマンの自信の通り、何をもってしても傷がつかず、正規の手順以外では開けることも適わなかった。

「よって、我々が確保に向かうのはもう一つ。ボスの隠したナイフだ」
「ナイフ…。それには一体、どんな効果が?」
世にも珍しいスケッチブックの後で切り出されたものである。
きっと何か、やはり特別な品であるに違いない。
フツキは緊張と若干の興奮に乾いた唇を、コーヒーで湿らせる。

「いや、知らん」
「ブッフ…!?」
あんまりな肩透かしに、ついついコーヒーを吹き出すフツキ。
「うむ、リサーチ不足は素直に申し訳ないと思うが、これはあんまりだな」
フィズルの顔面は、ダイレクトにフツキの吐き出したコーヒーに染まっている。

「あわわ…すみません、すみません!」
慌てふためくフツキを制し、テーブルの上のおしぼりで顔面を拭いながらフィズルは続けた。

「少し話はそれるが…」
少し間を置き、コーヒーに濡れたおしぼりを丁寧に畳みテーブルへ戻す。
「傭兵団『サンドストーム』は、各自の専門性に応じ細分化されていた。『スコーピオン』による正確な諜報をもとに、ボスと、ブレインたるチーム『フェネック』が作戦を立案、実働部隊『バイソン』が戦地に赴き、そして私がヘッドを務めた『ジャービル』作の支援アイテムがそれを補佐する。………盤石な、仕組みのハズ、だったんだ」
最後の言葉には、ブラックコーヒーでも誤魔化せない苦々しさが滲んでいた。

「サンドストームが壊滅に至った最後の作戦、ティードが所属した偵察を主とするチーム『スコーピオン』は、その作戦には参加していない。…その時、チームから離れ単独任務にあたっていた当のティードすら知らない事実だがね」
「敵は、『スコーピオン』…」
「左様。故にティードが無事だと憶測した。あれも元サンドストーム、腕利きだ。無理に抑えて被害を出すより、何かしら理由をつけて懐柔しているに違いない。さて話を戻すが、私がボスからナイフについての情報を託されたのは、まさにサンドストームが壊滅した、その日の事だ」

過去をやり直すという邪な野望をマージンに打ち砕かれ、代わりにマージンの掴んだ未来の大きさに納得してなお、フィズルはあの日のこと、彼の家族にも等しいサンドストームが滅んだ日のことを、繰り返し夢に見る。

一呼吸置いてから、フィズルはその重い口を無理やり開くのだった。
                     続く
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