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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-05-14 12:46:52.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作「逃亡者マージン」その47

「そうはいっても!!どうしろっつうんだ!キスか?キスでもすんのか!?」
「御伽噺か馬鹿タレ!コイツをティードの口にぶち込め!!」
「これって…」
そういってフィズルからマージンに手渡されたのは、例の錆を入れて作った赤い薬液の詰まったアンプルであった。

「大丈夫これ?ティードさんお腹壊すんじゃないの?」
「「つべこべ言ってる場合か!?」」
あくまでも互いにティードを案じての発言ではあるものだから、堂々巡りでたちが悪い。

しかしマージンもアンプルを今一度眺めると強く握りしめ、唯一つの方法と腹を括る。
「アカックブレイブ!合図したら、とにかく全力でティードさんの攻撃を打ち払って、俺とスイッチしてくれ」
上段から押し込もうとするティードに拮抗するアカックブレイブに策を告げる。

「それは構わんが…お前に受けきれるのか!?このまま抑えているうちに浴びせたほうが…」
「飲ませなきゃならんのなら、それじゃ無理だ」
「しかし…」
「忘れたのか?ここは、俺のマイタウンなんだぜ?」爆弾工作員は得意気に告げると、ニヤリと笑う。
「何だか知らんが…任せたからな!」
「ああ。………よし、今だ!」
ティードの動き、アカックブレイブの体勢も見越して、もっとも大きく隙きを作れると踏んだタイミング。
狙い通り、大きくよろけたティードの眼前からアカックブレイブが転身し、代わりに躍り出たマージンは高らかに叫んだ。
「…来い!マクレーーーン!!!」

マージンタウンのモンスターハウス。
当然そこにも賊の手は回り、暴れ出さぬようバリケードが築かれている。
しかし、そこに住まうはマージンファミリーが各地から連れ集めた傑物揃いである。
彼らはいつでも主のために飛び出す用意は出来ていた。

ただ、主からの合図を待っていたのだ。
そして、待ちに待ったそれはついに来た!

グレネーどりのへいはちくんが大砲モードに変形し、不在のマージンの代わりにたけやりへいのたかとらくんの右腕に合体、放たれた爆炎がバリケードに正円を穿つ。
すかさず真紅に染まったエンタシスマンの亜種であるハイドラント(消火栓)マンのボーンくん、いかにもマシンらしい燻し銀のボディを持つマインディテクター(地雷探知機)マシンのマーフィーくんが両サイドからへいはちくんが穿ったバリケードの穴を広げる。
通れるか通れないか、そのギリギリのタイミングを一秒と逃さず、さまよう耐爆スーツのマクレーンがその身体をバラバラに分離しパーツ単位で穴をすり抜け、主のもとへと飛び立つのだった。

そして、ティードが斧を振り下ろす瞬間、マージンは間一髪で辿り着いたマクレーンの頭部アーマーでしっかりとその一撃を受け止める。

しかし当然ながらマージンはエクスプロージョンアックスの爆風をもろに受けた。
マクレーンのボディ部分は全てティードに装着され、ティードのその身を自らの攻撃から守っていたのだ。
マクレーンの頭部の中の拳に握りしめていたアンプルは衝撃で砕け散り、マージンの血なのかアンプル内の薬液なのか判別つかないまでも頭から真っ赤に染まり尽くす。

「…マー…ちゃん…」
その痛ましい様相に、一瞬ティードの動きが止まる。その隙きを逃さず、マージンは爆発の衝撃で使い物にならない腕をだらりとぶら下げたまま、口移しで頭から被った薬液をティードに流し込むことに成功したのだった。

ティードは途端に激しく咳き込み、レンドアの男達とは比にならない量の黒い液体を吐き出し、倒れ込んだ。
「おお!マージンがキスしたらティードが何か吐いたぞ!」
真っ先にティードに駆け寄るはアカックブレイブ。
フィズルより受け取ったせかいじゅのしずくを、急いでティードに浴びせかける。

「実況解説に悪意があるよね!?隠しきれない悪意がさ!?」
アカックブレイブの引っかかる物言いに何とか反論を絞り出すも、満身創痍のマージンはその場に大の字に倒れ込む。
煤まみれになりながらも再結合したマクレーンがマージンを支え、フィズルがその手当にあたる。
そこへ遅れ馳せながら、バリケードを完全に破壊した仲間モンスター達も駆け付け、各々にマージンとティードの容態を心配するのだった。

今この時、その場の誰もが仲間のことをおもんばかり、精一杯に行動している。
故に、誰も責めようがない。
ティードが吐き出した液体が、スカルサーペントの形を成し、スケッチブックを咥えて崩落したトンネルへと瓦礫の隙間をぬって姿を消すのを、止められる者は居なかったのだ。
                      続く
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