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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-05-16 09:02:01.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作「逃亡者マージン」その48

崩落したトンネル、折り重なった瓦礫の小さな一つが、ころりと落ちた。
微かな音に目を向けたフィズルの視界のど真ん中を突き破り、黒く刺々しい、猛禽類のような鋭く巨大なシルエットが姿を現す。

ただし、それは首から下を切断されたかのように消失しており、空間にぽっかりと空いた黒い闇の中から生え出るように、この世界に顕現していた。

穴と竜の首との隙間からは、よく目を凝らすと、びっちりと小さな白い手が伸び竜の首に張り付いて、身体同様に残るその首も闇の中へ引きずり込もうと、爪を立て引っ張っている。

「随分と手荒にやってくれたな」
人間の言葉を無理やり獣の喉構造から引きずり出しているため、非常に耳障りな声が響く。
「だが、お前ら如き矮小な存在に煩わされるのも、これで終いだ」
口を開くというよりは、肉を引き裂くように大きく開かれたあぎと。

割れ目から溢れ出す、鋭い鎌のような無数の牙が、咥えあげていた濃紺のスケッチブックに襲いかかる。

「「「誰でもいい!!奴を止めろをぉぉぉ!!!」」」
叫んだのはマージンか、フィズルか、アカックブレイブか。
はたまた、その全員か。

竜の生首のその行動が、何を意味するのか。
このあと、何が起こるのか。
詳細を知る由もない。
だが、背筋が氷柱に変わり果てたような悪寒に、叫ばざるをえなかった。

しかし無惨にもスケッチブックは斬り刻まれ、一瞬の重苦しい沈黙の後、ジュエが描き溜めていた幾多のモンスターのスケッチが、顕現しつつも捻じれ、千切れ、混じり合って、歪な球体状に膨れ上がる。
そしてその全てを覆い尽くすように、黒の洪水が地から天を貫いたのだった。

そして次第に天目掛けてさらに勢いと流量を増す黒き濁流を前に、未だ意識の戻らぬティードを抱えた一行はゲストハウスの方へと避難、いや、恥も外聞もなく慌てて逃走する。

「おい外の様子はどう…ティードさん!?早くベッドへ!」
扉を壊さんばかりに慌ててなだれ込んできた一行の様子にまずは外が気になりつつも、その中にアカックブレイブにお姫様抱っこで担ぎ込まれるティードを見つけ、再びハクトとフライナも眠る二階の寝室へと逆戻りしていく。

マージンはもちろん、仲間モンスター達もティードに付き添い姿を消し、広間に一人、フィズルは座り込んだ。

その間もゲストハウスの外では黒の奔流がおさまる気配はなく、まるで嵐のさなかのような騒音が鳴り響いている。

「…さて、とりあえず出来ることをしておくとしようか」
フィズルはベルトのアンプルを全て取り外し、並べる。
「あの質量には到底足りんな…」
ブツブツと呟きながらポケット、ポーチ、あるいは靴下の中。
ありとあらゆる所から部品を取り出し組み立てると、フィズルを上回るサイズの蒸溜装置が組み上がる。

アンプルの一本と、さらには、マージンのゲストハウスをかさかさと徘徊し寄せ集めた材料で、フィズルは次々に、淡々と薬液を量産していく。

「…やはり困った人種のようだな。僅か一瞬とはいえあんな恐怖を味わっておきながら、まして、敵の全容もまだわからないというのに、既に頭の中は倒す算段を始めている」
いつの間にか寝室を出て壁にもたれ、フィズルの様子を見守っていたアカックブレイブが声をかける。

「ふふ、それはお互い様だろう?外の様子はどうだった?」
そう問い返されたアカックブレイブの足元には、屋外に置き去りにしたはずの、彼女を象徴する二振りのハンマーがしかと佇んでいた。

「音が静まりつつあるように、それに比例して液体の噴出も穏やかになっている。魔装のおかげで難は逃れたが、毒素をふんだんに含んだ霧が結界のようにまわりを取り巻いているな。先に倒した雑兵どもをここへ運び込んでおいて良かった」
アカックブレイブは簀巻きになって転がる男達を見やり、それでも若干の影響はあったのか、言葉の終わりに少しだけ咳こんだ。

「生首を中心に液体は空中でとぐろを巻き、形を結びつつある…。あれは………もしや、竜なのか?」
「そうだな、さしずめ、模造品の竜(イミテーションドラゴン)といったところか」
「模造品…」
「そう、本物ではない。だから、倒しようはある。…筈だ。みんな大好きな、ドラゴンクエストだよ。腕がなるだろう?」
含みを持って告げると、フィズルは新たに完成したアンプルの一本を手に取り、アカックブレイブへ放り投げるのだった。
                      続く
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