「スカイドルセリオン!ウイニング・グランプリ・シュート!!!」
トリガーを引き絞ると同時、続けざまに銃身が焼け付く限界手前の6斉射。
ライフルの先端から、おきょうも含めたメンバーそれぞれのパーソナルカラーに染まったドルセリンエネルギーが光の矢となって迸る。
それは的確にマッドファクトリーの4つの肩と脚の2本をそれぞれ撃ち抜き、地響きをあげて跪くとともに巨腕や大剣が地に落ちる。
マッドファクトリーは原型となったスーパーキラーマシンとことなり、頭部のスーパーレーザーは取り外され、マシン系モンスターの製造ポッドとなっている。
大地の箱舟も走り去り、スカイドルセリオンも飛び去り、能動的な攻撃の手段を喪失して取り残され、カメラアイをぐるぐると回しながら散発的にグレネーどりを射出するのみのマッドファクトリーに接近する、ダイダイとアオの2つの影。
「掛け持ち任務も久々だなぁ。このあと雲上湖までとんぼ返りなんだけど。とほほ…」
マッドファクトリーが稼働状態になったときに発するシグナルを探知したおきょうに急遽召集された超駆動戦隊ドルブレイブのメンバー、ダイダイックブレイブとアオックブレイブだ。
「まだいいじゃないですか。僕なんてチョッピ荒野ですよ?」
「アオック、もしかして…」
チョッピ荒野からここへ駆け付けるのはどう考えても時間の辻褄があわないが、唯一それを可能にする手段がアラモンド鉱山の再建された秘密基地には存在する事を、過去実際に使用したダイダイックブレイブは嫌というほど知っている。
「そうそう、ここに来る時は古の転送システムを使いました」
「ははは!楽しかったろ?人間大砲!どうりで両足焦げてるわけだ!ははは!!」
「笑いすぎです!もう二度と使いません!!マッドサイエンティストの所業ですよ、アレ!」
「違いない。ふぅ、まったく、人使い荒いよなぁ」
「でもあんまり文句言ってると、またリーダーにどやされますよ?おきょう博士によると、腹に穴あいてるのに出張ってるらしいですから」
「何それ!?大丈夫なの!?腹に穴あいてるのに動き回ってるってそれ、もう魔王だよ、魔王。大魔王級!」
「大魔王アカック。何だかしっくりきますね!あはは!」
止まない笑い声。
久方ぶりの再開に沸く二人の会話に冷水が挿されたのはこのときだった。
続く