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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2022-09-23 08:39:12.0 2022-09-23 13:25:33.0テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『悪夢王御前試合』その13

「ここはいつだって活気があるな」
ぶつかってしまいそうなすれすれの所を、ねじり鉢巻の職人が駆け抜けていく。
「応ともよ!最近は、レンダーシアからの依頼がわんさか来ててな。何なら、アレスにも金槌振ってって貰いたいくらいだ!」
盟友ユルールと勇者アンルシアにより大魔王は討たれた。
しかし、それまでに払われた多くの犠牲、酷たらしい爪痕の数々を、アレスとヒッサァもダークドレアムを巡る冒険の中で垣間見た。

しかし、そこには同時に、痛みと悲しみを乗り越え、未来へ歩む人々の輝きが確かに満ちていた。

今、ロマン率いる魔法建築工房『OZ』はまさに、その手助けをしているのだろう。
実に彼らしい仕事だと思い、アレスは自身の腰に下がる剣の柄を撫でて、口元に柔らかな笑みが浮かべた。「…はは、それは遠慮しておくよ」
「ヒッサァさんはどうだい?報酬は弾むぜ?」
「頼まれごとは断らない主義ですが、私も今は立て込んでいましてね」
「あ~、まあ、ウチの扉を叩いたって事はそうだわな!」
ロマンはかっかっと天を仰ぎ豪快に笑う。

アサナギ、ブラオバウムと別れ、アレスの導きでヒッサァが機械装置を携えやってきたのがここ、魔法建築工房『OZ』の事務所である。

やがて往来激しい廊下を抜け、開かれた扉の向こうには、先が見えない程にずらりと本棚が並べられていた。
「おお…これは凄い…」
ヒッサァは目の前の光景に思わず息を呑む。

「大陸ごとは言わずもがな、例え近しいプクレットとオルフェアでも適した建築は異なる。フィールドワークで現地の風土を肌で感じるのは勿論必要だが、先人の知恵を拝借して、その地に根付いたものを知るのも欠かせないのさ」
ロマンはこの資料室が如何に重要かを語りつつ、はるか天井まで続く本棚にレールで固定し立て掛けられた梯子を動かし、一際古めかしい背表紙の並ぶ棚の前まで来ると、一人梯子を登っていく。

「あったあった、『エテーネ王国秘宝目録』」
「そんなものまで…」
ヒッサァは魔法建築工房『OZ』の誇る資料室、その蔵書の量に続き、質にも驚かされる。
「当然、写本だけどな。こと建築物、インテリアや装具の類に関しては、ヴェリナードやツスクルの立派な図書館にだって負けやしないぜ」
ロマンは誇らしげに語ると反転して梯子に腰掛け、百科事典ほどの厚みある書籍の腹を辿る。

「………と、やっぱりな。多分コイツじゃないか?」ロマンが指先の感覚だけでピタリと導き開いたページには、まさにアレス達が持ち込んだ装置と思しき物が描かれている。
紙は経年劣化で赤茶け、白黒で描かれた目録ゆえ細部は怪しいところではあるが、独特な形状やパーツの境目からしても間違いないだろう。

「そいつは幻灯機、正式には製作者の名前をとってレイミリア幻想機と呼ばれる代物のようだな。まあ勿論、レプリカだが」
「レプリカ?」
「ああ、そいつに使われている素材はとてもじゃないがアンティークな代物ではない。ごく最近、それこそ一年も経って無いんじゃないか?」
塗料の風合いや肌触り、物を手に取れば実に雄弁にロマンへ語りかけてくる。

「しかし問題は、この目録にも詳細が記されてねぇって事だな」
アレスはロマンから写本を受け取り、目を通す。
ヒッサァも隣から覗き込むが、写本ゆえか、やはり幻灯機の機能に関しての記載は見受けられなかった。

「エテーネ王国にゆかりの品、そして幻灯機という名前。ふむ、この上はやはり、再びレンダーシアを訪ねる必要があるか…」
ここではこれ以上の進展は難しいかと感じ、次の一手を思案するアレスの様子を見受け、ロマンは指折りスケジュールを確認する。

「…なぁ、もしよければなんだが」
「む?」
「そいつ、俺っちがバラして機能を確認しようか?」まぁた安請け合いして、と工房仲間にどやされるなと頭を掻きながら、ロマンは協力を持ちかけるのであった。
                      続く
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