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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: 魔剣士
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-01-08 09:45:09.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『年のはじめのためしとて』その1

魔法建築工房『OZ』にて催された、大晦日の宴会の最中。
いかに一流の冒険者ティード、超駆動戦隊ドルブレイブリーダーであるアカックブレイブに加えて、かの『盟友』ユルールのパーティメンバーの武闘家ヨナまでも目を光らせていたとはいえ、酒も入りこれほど大人数の宴の席とあれば、犯罪の芽吹く瞬間を見逃してしまうのはやむ無しである。

「…マージン。俺はついに見つけた。見つけちまったんだよ。確実な勝利を」
バーカウンターにて、極力目立たぬ様、猫背でグラスをくゆらせながらアマセはフロアの一点に鋭い視線を飛ばしていた。

あたりの様子、主に金髪ショートの名実共なオーガ嫁の監視の目が向いていないか気を払いつつ、アマセと同じ方向に視線を向けたマージンの脳裏にも稲妻の如き閃きが奔る。
「…!!さすが兄貴だぜ。その智謀、冴え渡り過ぎてて鳥肌がたっちまう…!」
「ふふ…おだてるのはよしてくれ、無駄に歳を重ねてるだけさ。おっと、そろそろいけねぇ…。またな」
ヨナが会場内をキョロキョロと見回していることに先んじて気付き、如何にもな悪人顔でほうぼうに散るアマセとマージンであった。

翌日。

「い~や~だ~ッ!!!放熱効率が落ちる!絶対に動きづらい!!や~だ~ッ!!!」
元旦の朝、新年の記念に皆で初詣にいざ出かけようというのだが、女性陣に用意された更衣室にて皆が手伝いあいつつレンタルの振袖に着替えていく中で、フタバは絵に描いたような駄々をこねていた。

気がつけば無二の相棒であるはずのケラウノスにより強制的に魔装の展開を解かれ、代わりにフタバからすれば拘束着に等しい振袖なるものを着せられようという。
外見に反して、稼働時間を換算するところ1歳に満たないフタバにとって、やむを得ない反応ではある。

「う~ん、まあ、そこまで嫌なら、フタバちゃんは慣れた服装でいいかしら」
既にティードは白をベースに金の水玉、セ~クスィ~はいつもの如く鮮赤、テルルは花鳥風月の描かれた、それぞれに艶やかな振袖に着替えているが、あくまでも服装は様式美である。
もちろん無理強いをするものではないし、一同にそのつもりもない。

「こればっかりは仕方ないな。ケラウノス、フタバの魔装を戻してやってくれ」
そう言うセ~クスィ~の顔に浮かぶは、まさしく姪っ子の晴れ姿を見逃して残念がる叔母の表情であったが、それは言わぬが花である。

しかし、面々が諦めようとしたところで、思わぬ助け船が出た。
「特殊外装『振袖』。主に元服の儀、婚礼の招待を受けた際など式典の場において女性が身にまとう最上級装備の一つである。…余談ではあるが魅力のステータスに絶大な上昇効果が見込まれる」
壁に立て掛けられた角を持つ獅子を模した意思持つ槍、ケラウノスは淡々と解説を行い、さり気なくフタバがきっと食いつくであろうキーワードを追加した。
本心から嫌なのであれば、ケラウノスも無理強いはしないが、なにせ今回はフタバの食わず嫌いに違いないと踏んだのだ。

「着る」
先程までの嫌がりっぷりは何処へやら。
緊張から口を一文字に結びややムスッとしているように見える表情ながらも、テルルがレンタル衣装の中からチョイスした、フタバの魔装のカラーリングに近しい紺と黒を基調とする蝶の柄の入った振袖を皆に手伝ってもらい大人しく身に着けた。

何事も経験である。
今回の初詣、アストルティアの伝統行事に触れることはフタバにとってプラスであるとケラウノスは考えた。
であれば、出来る限り正式な流れに則り、最小の手数で最大限の経験値を得るべきだ。

いきなり晴れ着はハードルが高いのは百も承知である。
しかし、放っておけばせいぜいがメットオフする程度で常時魔装を解かず、眠る時すらいかつい鎧を身にまとっているというのは、機械仕掛けとはいえ恋する乙女としていかがなものか。

それはステレオタイプ、杓子定規な考えかも知れないが、今後に向け試行錯誤の価値はある。
兄ハクギンとつがいになるというフタバの目標をフォローすると決めた以上、チャンスは逃さず、出来ることからコツコツと進めるケラウノスであった。

しかしながら、そもそも燃費の点でフタバに普段から着替えを勧めることを失念しているあたりに、ケラウノス自身もポンコツ化がだいぶ進行していることは否めない。

「どうだ?ケラウノス。おかしくないか?」
ティードとテルルによる着付けを終えたフタバが姿見の前で全身を確かめるようにくるりと回る。
「問題無い。良く似合っている」
頷くことが出来ない構造を悔やみながら、ケラウノスはフタバに太鼓判を押すのであった。
                      続く
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