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常闇のバシっ娘

レオナルド

[レオナルド]

キャラID
: QB020-044
種 族
: プクリポ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 131

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レオナルドの冒険日誌

2023-01-23 13:42:24.0 テーマ:その他

蒼天のソウラ二次創作『決意の夜に』その22

「かろうじて間に合ったというところか」
思えばレオナルドの偽物は何かにつけ遠回りをさせ、時間を稼ごうとしていたように感じる。

振り向けば宣言の通り、炎や雷を宿した矢でもって、肉身を持たないモンスターをこちらへと着実に押しやるレオナルドの姿が見えた。
いつの間にやらレオナルドの近くへと舞い戻ったワッサンボンが、得意のジャンピングタイフーンに巻き込んで、影を一気に封印の射程内に押し飛ばす。

『アビエルト!』
漆黒の太陽の直下、クマヤンの勅に応えて、掲げた檻が砕け散る。
千々に別れ、飛び散ったかのように見えた欠片の一つ一つは赤く細い光の糸で繋がり広がって、影もろとも漆黒の太陽を包み込むように更に大きな球体を描き出す。

「喝ァッ…!!!!!!」
エレメント系、だからどうした。
慌てて封印の外へ逃げ出そうとする影を、味方すら痺れさせる村長ゼタの壮絶な『一喝』が怯ませる。

『デ・セルカ!!』
その怯みを逃さず、続け様のクマヤンの言葉に反応して、檻が閉じる。
仕掛け絵本がたたまれるように、家一軒を遥かに上回る球体がもとの掌サイズに収束して、ころんと地に転がった。
邪気を吸い上げた影響か、赤く光っていた檻は今や満月のように黄金の光をたたえている。

「…ふぅ」
クマヤンが額の汗を拭うと同時、あちこちからドサリと尻餅をつく音が響いた。
村の戦士たちはこれまで、ローテーションを組んでとはいえ不眠不休で敵を押し留めていたのだ。
無理もない。

「コイツはとりあえず、オレが預かる」
鮫のようなぎざっ歯が特徴的な村長は、檻を拾い上げると村の被害状況を確認するために歩み去り、残されたクマヤンとマユミのもとへ代わりにレオナルドとワッサンボンが駆け寄った。

「助かった、ありがとう」
ねぎらいの言葉をかけるとともに、ワッサンボンはクマヤンに依頼の報酬を手渡す。
「確かに。ところで…」
「ああ、レオナルドの偽物のことかい?」
「そうだ。やつは一体?」
太陽の魔物の件は聞いていたが、ああまで完璧に他人を模倣するモンスターなど、クマヤンの知識にもなかった。

「砕け散ったレイダメテスの破片、ひときわ大きい燃え残りから先の太陽が現れたと同時に、その影から這い上がってきたのがあのモンスターさ」
現れた影は全部で5体。
とはいえこちらも大所帯である。
討滅は難しくないと踏んだが、敵は特異な権能を持ち合わせていた。

「モシャスグランデ。失われた系統の呪文であり、なおかつ、その上位。そもそも存在していたのか、レイダメテスの呪力で変化したものかまではわからないが、姿を模すだけに留まらず、その記憶まで読み取れるらしい。その場で仲間に化けられて、酷く苦労した」結果取り逃がした一体が、ワッサンボンの姿で村を離れていたレオナルドの元へ辿り着き、本物を亡き者にして成り代わって、封印を妨害しようとしたというわけだ。
「どうりで…」
違和感こそあれ、ここまでの道中、偽レオナルドとの会話に整合が取れていたのはそういうことかと、クマヤンも合点がいった。

「奴に先んじて村に帰れたのは良かったけれどね。本物か疑われて、傷だらけなのに頬をつねられたり、散々な目にあったよ」
「いや悪かったって。しょうがないだろ?」
何はともあれ、脅威は去ったのだ。
建物の修繕に、勝利の宴、急速に活気付いていく村の雰囲気に、今しばらくの滞在を決めるクマヤンとマユミであった。
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